健康長寿ネット

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脱水

公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2019年8月 1日 14時01分

脱水とは

 脱水とは体液が失われ、身体にとって不可欠な水分と電解質が不足している状態です。

脱水の3タイプ

 脱水には高張性脱水、等張性脱水、低張性脱水の3つのタイプがあります。

高張性脱水

 汗をたくさんかいて喉が渇いているときにみられる脱水で、電解質より水分の方がより多く失われ、体液が濃くなっている状態です。速くたくさん汗をかくほど身体の中の水分が汗となって出ていき、水分が多く失われます。

等張性脱水

 下痢や嘔吐によって体液が一気に失われたときに起こり、水分と電解質が同等の割合で失われる脱水です。

低張性脱水

 たくさん汗をかいているのにお茶や水などの電解質があまり含まれない飲み物を大量に飲んだ時に起こる脱水で、水分よりも電解質が多く失われている状態です。

脱水の症状

 脱水の症状は体重の減少率によって変化します。体重減少率が大きくなるほど脱水の症状は重症となります。

 体重減少1~2%は軽度の脱水で、喉の渇きや尿量の減少がみられます。軽い下痢や嘔吐、微熱がみられることもあります。体重減少が3~9%は中等度の脱水で、全身の倦怠感や頭痛、嘔吐、めまい、痰を出しにくい、血圧低下、臓器の血流低下などがみられます。体重減少10%以上は高度の脱水で心臓・腎臓・呼吸機能不全がみられ、死に至ることもあります。

脱水の原因

 発汗や嘔吐・下痢などで身体の水分や電解質が失われると免疫力や生命維持のための機能が障害されて様々な症状が現れます。脱水が起こる原因としては熱中症がよく知られていますがその他にも以下のことが脱水の原因となります。

熱中症

 高温の環境での運動や活動で汗が出ることで水分や電解質が不足して脱水が起こります。

下痢や嘔吐

 感染症にかかったときや体調不良で下痢や嘔吐によって体の水分と電解質が失われることで脱水が起こります。

朝食を抜く

 朝起きたときは夕食から時間が空いており、寝ているときの呼気や発汗によっても水分や電解質が失われている状態なので、朝食を抜くと脱水となりやすくなります。コーヒー1杯のみの朝食だと利尿作用もあるので体液はさらに失われやすくなります。

二日酔い

 アルコールには利尿作用があるので体液が出ていきやすく、アルコール代謝によって生成されるケトン体の影響で脱水が起こるといわれています。

夜ふかし・寝すぎ

 何も飲まずに活動している時間が長くなる夜ふかしや、寝る時間が長くなって水分を摂る機会が減る寝すぎでも脱水は起こりやすくなります。

発熱

 発熱時には体熱が上がり身体の水分が失われがちになり脱水を起こしやすくなります。

高温の室内環境

脱水予防に空調を有効に使い高温多湿を防ぐ高齢女性のイラスト。加齢により脱水しやすくなる為、水分をこまめにとること、脱水を起こしやすい環境の改善、外出時などの体温調節の工夫、健康な体の保持を行うなどの脱水予防を推奨する。

 エアコンをつけない夏の室内や風通しの悪い室内は高温で汗をかきやすい環境となり、脱水が起こりやすくなります。

ストレス

 ストレスを受けると緊張状態となり、心拍数、呼吸回数が増え、体温も上がります。呼気や体熱で水分が失われやすくなります。

食べ過ぎ

 食べ過ぎると消化管に血液が集中して全身の循環が悪くなり、末梢では脱水状態となります。

体内水分量とは

 人の身体の約60%は水分です。体重60kgの成人男性の水分量は約36kgとなります。1日で尿や便として1.6Lと呼吸や汗で0.9Lの合計2.5Lの水分が失われます。人は1日食事に含まれる水分1.0Lと体内で作られる水分0.3Lと飲み水1.2Lの合計2.5Lの水分摂取が必要です(リンク1参照)。

リンク1:健康のため水を飲もう講座 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

高齢者の体内水分量

 体内の水分量が占める割合は、年齢によって変化します。成人で約60%、65歳以上の高齢者では50%となり、体内水分量の占める割合が低くなります。

 加齢により体液を多く含む筋肉量の低下や、喉の渇きを自覚しにくくなり、水分摂取の機会が減ること、腎機能が低下することで、水分や電解質が失われやすくなること、食事量の低下により食事からとる水分が少なること、身体動作能力の低下からトイレへの移動・動作自体を億劫に感じ、水分を意識的に控える傾向にあることなどから、体内の水分が失われやすく、摂取する水分も少ない環境にあり、脱水となりやすくなります。利尿作用のある服薬や経腸栄養剤などの浸透圧の高い食品の摂取も水分不足を引き起こします。

脱水の予防方法

 水分をこまめにとること、脱水を起こしやすい環境の改善、外出時などの体温調節の工夫、健康な体の保持を行って脱水を予防しましょう。

脱水予防に首にスカーフを巻いて体温調節している女性のイラスト。

脱水の予防方法

  • 喉が渇く前に水をこまめに飲む。就寝前、起床時、運動・入浴・飲酒の前後に水を飲むようにする。
  • 暑さを避ける服装をする。
  • 空調を有効に使い、高温多湿を避ける。
  • 扇風機などを利用して部屋の空気の入れ替えを行う。
  • 外出時は首にスカーフを巻くなどして体温調節を行う。
  • エアコンの環境では濡れタオルをかけるようにする。
  • 栄養バランスの整った食事を規則正しくとり、体力を保持する。

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