ラジオ体操の健康効果とは
公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2019年8月 2日 13時16分
ラジオ体操とは
ラジオ体操は逓信省簡易保険局が昭和3年に制定しました。ラジオ体操は国民の体力向上、健康の保持増進を図る目的で「国民保健体操」という名称で始まり、今では「ラジオ体操」として広く定着しています(表)。
年月 | 出来事 |
---|---|
昭和3年11月 | 逓信省簡易保険局は、昭和天皇即位の記念として旧ラジオ体操第一を「国民保健体操」という名称で制定。(NHKラジオ放送) |
昭和7年7月 | 旧ラジオ体操第二を制定。 |
昭和14年11月 | 旧ラジオ体操第三を制定。 |
昭和21年4月 | ラジオ体操を中止し、新ラジオ体操第一、第二、第三を制定。 |
昭和22年9月 | 新ラジオ体操の放送を中止。 |
昭和26年5月 | 現行のラジオ体操第一の放送を開始。 |
昭和27年6月 | 現行のラジオ体操第二の放送を開始。 |
昭和28年7月 | 夏期巡回ラジオ体操会を開始。 |
昭和32年10月 | テレビ体操の放送を開始。 |
昭和37年3月 | 全国ラジオ体操連盟を結成。 |
昭和37年10月 | 1,000万人ラジオ体操祭が開催。 |
昭和53年10月 | ブラジルでラジオ体操会が発足。 |
平成11年9月 | 国連の国際高齢者年にちなみ、「みんなの体操」を制定。 |
ラジオ体操の目的
ラジオ体操は元々国民の体力向上、健康の保持増進を図る目的で始まりました。現在は毎朝6時半にラジオで放送されることから、夏休みに子どもたちの生活リズムが乱れないようにすることも目的の一つとして朝6時半に地域で行われているところも多くあります。
ラジオ体操の健康効果
ラジオ体操は立位でも座位でもできるので、自分の体力や体調に合わせて強度を調整することができます。全身を使った動き、上肢、下肢の動きがあり、全身を動かすことができます。また動きの中には前屈・後屈やひねり、屈伸など様々な関節運動があるため、朝や運動前など動き始めに行うことでウォーミングアップとしての効果も期待できます。
ラジオ体操の歌が流れると、自然に身体が動き出すくらい、国民的な体操といえます。5分程度の体操ですが、一つ一つの動きを丁寧に行うことで心拍数が上昇し、汗ばんでくるくらいの運動になります。身体のすみ(心臓から遠い部分)からほぐしていき、全身の血行を良くすることをイメージしてみてください。
ラジオ体操第一、ラジオ体操第二の各13パターンの動きの中には、肩こりの改善、呼吸機能の促進、消化器の働きを改善、腰痛の予防が期待できる体操が含まれています。体操の効果を高めるため、次のことを意識して行ってみてください。
ラジオ体操で意識すること
- 指先までしっかりと伸ばす。
- 呼吸しながら行う。
- 動かしている筋に集中して行う。
ラジオ体操の方法
ラジオ体操は第一と第二に分かれています。「ラジオ体操第一」に比べ「ラジオ体操第二」は少し強度が高く、腱への刺激を与えられる運動もあります。ジャンプなどの中~高強度の運動もあるため、痛みのない、無理のない範囲で行ってみてください。
ラジオ体操第一
動画1:ラジオ体操第一・実演
引用:ラジオ体操公式チャンネル かんぽ生命(再生ボタンを押すと動画が始まります)
ラジオ体操第一の順番2)
- 伸びの運動
- 腕を振って脚を曲げ伸ばす運動
- 腕を回す運動
- 胸を反らす運動
- 体を横に曲げる運動
- 体を前後に曲げる運動
- 体をねじる運動
- 腕を上下に伸ばす運動
- 体を斜め下に曲げ、胸を反らす運動
- 体を回す運動
- 両脚で跳ぶ運動
- 腕を振って脚を曲げ伸ばす運動
- 深呼吸
ラジオ体操第二
動画2:ラジオ体操第二・実演
引用:ラジオ体操公式チャンネル かんぽ生命(再生ボタンを押すと動画が始まります)
ラジオ体操第二の順番3)
- 全身をゆする運動
- 腕と脚を曲げ伸ばす運動
- 腕を前から開き、回す運動
- 胸を反らす運動
- 体を横に曲げる運動
- 体を前後に曲げる運動
- 体をねじる運動
- 片脚跳びとかけ足・足踏み運動
- 体をねじり反らせて斜め下に曲げる運動
- 体を倒す運動
- 両脚で跳ぶ運動
- 腕を振って脚を曲げ伸ばす運動
- 深呼吸
ラジオ体操はどこでできるか
ラジオ体操は毎朝6時半にNHKラジオ第1放送にて放送されるため、ラジオがあれば自宅でもどこでも好きな場所で行うことができます。動きも複雑ではなく、ラジオで一つ一つの動きの説明が入るため、気軽に行うことができます。
地域によってはサークル活動や地域の活動で集まってラジオ体操を行っているところもあります。夏休み中には自治会や町内会が主催してラジオ体操の会が開かれることがあります。しかし高学歴志向や夜型生活などで子どもが屋外で遊ばなくなり、早朝のラジオ体操の参加者が減少してきています。日本の夏の風物詩の一つとして、積極的に参加のための工夫を行っている自治体もあるようです。
運動は一人で行うよりも誰かと一緒に行う方が習慣化しやすいといわれています。家族、友人、地域の仲間など、"ラジオ体操仲間"をみつけてみるとよいかもしれません。健康の維持増進のために最も大切なことは継続です。ぜひ無理のない範囲で始めてみてください。