緑内障の症状
公開日:2016年7月25日 14時00分
更新日:2022年4月14日 13時33分
緑内障の症状とは
緑内障の自覚症状は、徐々に視界に見えない部分(暗点)が出現する、または見える範囲(視野)が狭くなる、などがあります。
緑内障の症状は徐々に進んでいくため、初期の段階ではなかなか気がつくことが出来ません。それは、片方の目が緑内障になった場合でも、普段は両目で見ているため、良い方の目が、症状が出ている方の目を補ってしまうためです。そのため、何かしらの異変に気がついて受診した時には、すでに緑内障が進んでしまっていたり、視力の低下がかなり悪化してしまっているケースも少なくありません。
緑内障の特徴
緑内障の怖いところは、一度発症してしまうと、治療をしても、失った視野や視力を取り戻すことが出来ないことです。緑内障の治療は、視界を回復させるのではなく、これ以上視野を失わないために進行を遅らせる治療になります。
ほとんどの緑内障は進行がゆっくりですが、急激に眼圧が上昇する急性緑内障発作が起こると、目の痛み、充血、目のかすみ、頭痛や吐き気を伴って、かなりの早さで視野が狭くなっていきます。
もっとも怖い急性緑内障発作
緑内障はほとんどの場合、徐々に進行しますが、まれに急激に隅角が閉じてしまい、かなりのスピードで著しい眼圧の上昇が起こることがあり、この状態を急性緑内障発作といいます。急性緑内障発作では、目の痛み、頭痛、吐き気などの苦しい自覚症状がみられます。
急性緑内障発作による症状
- 目の痛み
- 充血
- 目のかすみ
- 頭痛
- 吐き気
急性緑内障発作による症状が起きた場合は、一晩で失明してしまう可能性もあるため、すぐに治療を受けなければ、光を感じることも難しくなるような状態となる可能性があります。
緑内障の種類
緑内障は大きく4つに分類されます。
緑内障の分類
- 原発開放隅角緑内障
- 原発閉塞隅角緑内障
- 続発緑内障
- 発達緑内障
原発開放隅角緑内障とは何か
原発開放隅角緑内障とは、目の中に流れている房水という水が排出する場所(図1・図2の線維柱帯とその奥のシュレム管)が目詰まりして、房水が流れないために、眼圧が上昇するタイプの緑内障です。
つまり、原因となる他の病気がないにもかかわらず(原発)、隅角が見かけ上解放されているのに(開放)、隅角(角膜と虹彩の間にある、線維柱帯を含む房水が流れる水路のような場所)が原因で起こる緑内障です。
原発開放隅角緑内障のうち、眼圧が正常範囲の数値であるにもかかわらず、視神経に障害をもたらす症状の緑内障を正常眼圧緑内障と呼びます。
正常眼圧緑内障になる原因は、視神経の血液循環の停滞や遺伝的要因、免疫や酸化ストレスなどさまざまなことが関係しています。
- 視神経の血液循環の停滞
- 遺伝的要因
- 免疫
- 酸化ストレス
このようにさまざまな要因で緑内障を発症することがあるため、今まで眼圧の上昇によって起こると考えられていた緑内障も、実は眼圧とは関係なく視神経に障害をもたらすのではないかという考え方も出始めています。
正常眼圧緑内障になる人は、他の緑内障と比べて高齢者や近視である人も多いことから、正常眼圧緑内障を発症するリスク因子は、加齢や近視であると考えられています。
原発閉塞隅角緑内障とは
これは原発開放隅角緑内障とは違い、他の病気のせいではなく図3に示すように隅角が狭くなり(狭隅角)、図4のようにやがては閉じてしまうことで(閉塞隅角)、房水が流れることが出来なくなり、眼圧が上昇することで発症する緑内障です。
その他の緑内障
続発緑内障
続発緑内障は、緑内障を発症する前から持っている、目の病気や全身の病気が原因で、続発的に起こる緑内障です。目の病気や全身の病気が原因で眼圧が上昇して、緑内障を発症します。
続発緑内障には、開放隅角タイプと閉鎖隅角タイプがあります。続発緑内障を治療するためには、前から持っている病気や症状をきちんと理解して、その病気をしっかり治すことも必要です。
発達緑内障
発達緑内障は、隅角に先天的な異常があるために起こる緑内障です。生まれてすぐに眼圧が高いと眼球自体が大きくなることから、「牛眼(ぎゅうがん)」と呼ばれることもあります。
乳幼児の緑内障は、進行が早く、眼球の拡大によって目の機能が著しく低下させてしまう場合が多いため、早い時期に手術をすることがほとんどです。
画像引用元
1)