緑内障の診断
公開日:2016年7月25日 12時00分
更新日:2022年4月14日 13時35分
緑内障の診断について
緑内障になると視力が低下し見えにくくなるという症状が出ますが、普段は両目で像を見ているため、初期の段階での自覚症状はほとんどありません。
定期検診で眼科健診を受け、緑内障と診断された人の9割は自覚症状がなかったというデータがあります。このようなことからも分かるように、緑内障の診断には、専門の検査と、専門医による診察が必要です。
緑内障の定期検査
緑内障を発症していると診断された後も、進行の程度を診たり、治療の効果を判断するため、定期的にいくつかの検査を受けます。緑内障は、進行すると失明の可能性もあるため、1度緑内障になったら、生涯にわたって経過を観察していく必要があります。
主な緑内障の検査としては、以下の4つのものがあります。
- 眼圧検査
- 隅角検査
- 眼底検査
- 視野検査
眼圧検査とは
眼圧検査は、器械を使って眼圧を測る検査です。器械にもいくつか種類があり、代表的なものとしてはゴールドマン圧平眼圧計と空気眼圧計があります。
ゴールドマン圧平眼圧計(写真1)は、患者さんの目に直接器械を触れさせて測定する器械です。
空気眼圧計(写真2)は、患者さんの目に圧縮した空気を噴射して、目の硬さ測る器械です。
器械それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらの器械が優れているかなど優劣をつけるのは難しいようです。
隅角検査
隅角検査は、隅角が目詰まりしていないかを確認する検査です。写真3のように専門の特殊なコンタクトレンズを患者さんの目に押し当てて、直接、隅角を観察して診断をします。隅角検査をするときは点眼麻酔をします。そのため検査による痛みはありません。
眼底検査
眼底検査は目の底(奥)にある視神経の障害の程度を診断する検査です。緑内障になると視神経乳頭にあるくぼみが拡大します。この視神経乳頭は視神経の眼球内への出口にあります。
健康診断を受けて緑内障が見つかると、「視神経乳頭陥凹拡大(ししんけいにゅうとうかんおうかくだい)」と判定されます。眼底検査中は少しまぶしい場合もありますが、痛みなどの苦痛はありません。
また、光干渉断層計(OCT)によって、緑内障をさらに詳細に診断することが出来るようになりました。光干渉断層計(OCT)は、三次元画像解析装置を使って、視神経乳頭や網膜の神経線維の厚みを測ることが出来る器械です。
視野検査
視野検査は、見える範囲がどのくらいであるかを調べる検査です。図4のような視野検査器の前に座って、微量の光が見えるかどうかを判断します。見えるときはボタンを押して、見えないときは離します。緑内障の進行程度を診断するために必要な検査ですが、所要時間は、おおよそ30分程度です。
40歳になったら年1度の眼科定期健診
眼科医は、上記の検査を通して、緑内障であることを診断したり、既に緑内障にかかっている人に対して、今の治療方法が緑内障の進行を遅らせるのに適切かどうかを総合的に判断します。
緑内障は、素人では判断が難しく、緑内障がかなり進行してからでないと自覚症状がない人もいる疾患です。見た目から判断することもできないので、眼科専門医による視察が必要です。
特に気になる症状がない人でも、40歳になったら年に1度は眼科の定期検診を予約しましょう。もしも、急に視力が低下すると感じたら、早急に眼科医を受診しましょう。
写真引用元
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