健康長寿ネット

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緑内障のケア

公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2019年2月 1日 21時06分

緑内障のケアについて

 緑内障に対する1番のケアは、定期的に眼科健診を受けることです。緑内障を発症しても自覚症状はほとんどなく、かなり病気が進行してから受診する人が多いことが問題です。緑内障が進行すると、徐々に視力が低下し、失明する可能性があるため、注意が必要です。

日本人と緑内障

 日本では、失明になる原因の1位が緑内障である、という調査結果があります。失った視力は、治療をしても回復はしません。完全に視力を失い失明してしまうと、手術をしてもメガネをかけても、自分の目で見ることが出来なくなってしまいます。

 以前は緑内障=失明というイメージがありましたが、医療の進歩により、早期に治療することで症状を遅らせることができる病気になってきました。それでも急性緑内障などは、進行がかなり早いため、治療が病気の進行に追いつかないこともあります。

緑内障の進行を遅らせるには

 緑内障を発症している人の見え方は、図1のようになっています。

図1:緑内障を発症している人の見え方を示す図。左右それぞれの目が見えない視野を両目で補っていることを表している

図1:緑内障を発症している人の見え方(両目で補い合う視野)

 緑内障の進行を遅らせるためには、まずは眼圧を下げ、今よりも視神経が障害されないような治療を行います。

 治療としては、点眼薬を使用します。図2のフローチャートにしめすように、1種類の点眼薬をしばらく使用しても、治療の効果が得られなければ、点眼薬を別の種類のものに変えたり、今使っている点眼薬とは違う作用の点眼薬を追加します。2~3種類の組み合わせで処方されることもあります。このように複数の点眼薬の使用をする際は、配合点眼薬という作用が異なる2種類の薬がひとつになったものを使用することもあります。

図2:点眼薬の処方フローチャート。点眼薬による治療を開始したのち、眼圧が下がった場合は治療を継続。眼圧が下がらない場合は点眼薬変更または、点眼薬を追加する。そののち眼圧が下がった場合は治療を継続。下がらない場合は点眼薬変更または点眼薬を追加する。

図2:点眼薬の処方フローチャート

緑内障の点眼薬の種類

 処方される点眼薬には、房水の生産量をおさえる効果が期待できるものと、房水の排出を促進する効果が期待できるものがあります。

  • 房水の生産量をおさえ、眼圧を下げるもの
  • 房水の排出を促進し、眼圧をさげるもの

点眼するときの注意点

 点眼薬を点眼するときは、医師の指示に従った点眼方法で行いましょう。

 緑内障は、点眼薬で治療をしても症状の悪化を防ぐしかできないため、治療の効果が実感しにくい部分があります。治療期間に対する効果の現れ方が比例しないため、もどかしさを感じる人もいるでしょう。そのようなこともあり、医師が指示した量よりも多く点眼してしまう人もいるようです。

 しかし、実は目は、1回の点眼で1滴分しか吸収することができないのです。1滴以上の点眼薬は、周囲に流れたり、鼻から全身に回ります。

 どんな安全な薬にも副作用はつきものです。副作用のことを考えても、たくさん点眼することはやめたほうがいいでしょう。

 もし点眼薬を使用して、少しでも違和感を感じたら、医師や薬剤師に相談してください。「こんなことで相談してもいいのか」とか「これくらいなら我慢できる」というような、自己判断はとても危険です。たった1滴の点眼薬でも、目だけでなく全身に副作用を引き起こしてしまうこともあるからです。

 緑内障による失明を防ぐためには、医師の指示に従って点眼をすること、効果が実感できなくても、視力が悪化していなければ薬が効いていることを知って、定期検診と点眼をきちんと続けることが大切です。

日常生活での注意点

 緑内障になったら、規則正しい生活を送るように心がけましょう。緑内障を引き起こす要因にはまだ分かっていないことが多く、緑内障を完治させる生活習慣なども、分かっていないことが多いのが現実です。

 しかし、一度緑内障になってしまった場合は、眼圧を上げないような生活が望ましいため、例えば肉体的・精神的な過度の疲労、アルコール・水分・カフェインの過剰摂取などは、避けた方が良いでしょう。喫煙も神経そのものを傷める可能性がありますので、禁煙することをお勧めします。

 また、風邪薬や安定剤、胃の検査などで使用するお薬の中には、眼圧を上げる作用を持つものがあります。市販されているお薬を購入するときや、医療機関でお薬を処方されるときは、薬剤師や医師に緑内障であることを告げ、影響のないものを使うようにしましょう。

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