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看護小規模多機能型居宅介護とは

公開日:2019年2月12日 17時10分
更新日:2024年2月 2日 14時41分

看護小規模多機能型居宅介護とは1)2)3)

 看護小規模多機能型居宅介護とは、要介護状態となった場合においても、利用者が可能な限り居宅において、利用者自身が持っている能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、その療養生活を支援し心身の機能の維持回復及び生活機能の維持又は向上を目指すサービスのことです。

 以下のようなニーズのある方を支援するために、2012年に介護保険法の改正によって制度化されたサービスです。2015年に、「複合型サービス」から名称が変更されています。

  • 退院直後の在宅生活へのスムーズな移行
  • がん末期等の看取り期、病状不安定期における在宅生活の継続
  • 家族に対するレスパイトケア、相談対応による負担軽減

 利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるということを目的としており、利用者の選択に応じて、施設への「通い」を中心として、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問」をして介護をしていくことに加えて、看護師などによる「訪問看護」も組み合わせることができます(図)。

図:看護小規模多機能型居宅介護のサービスの提供内容を表す図。
図:看護小規模多機能型居宅介護5)より引用

看護小規模多機能型居宅介護のサービスを提供する事業所1)4)

 看護小規模多機能型居宅介護は要介護1から利用することができるサービスであり、家庭的な環境と地域住民との交流の下で、介護と看護の一体的なサービスの提供を受けることができるという特徴のあるサービスです。

 サービスを提供する施設の利用定員は29名以下となっていますが、通い定員は18名以下、宿泊定員は9名以下となっています。

 訪問看護が加わったことによって、今まで小規模多機能では受け入れ困難だった医療依存度の高い人や、退院直後の状態が不安定な人、在宅での看取りを希望する人への在宅療養支援を、可能にすることができました。

 1つの事業所で様々なサービスを利用できるので、なじみのある職員にケアしてもらえる安心感があります。特に環境や職員の変化にうまくなじめない認知症の方には良いかもしれません。

看護小規模多機能型居宅介護の人員基準3)

 看護小規模多機能型居宅介護の人員基準は、おおむね小規模多機能型居宅介護の基準に沿っており、さらに看護職員を手厚く配置する構成となっています。

 看護小規模多機能型居宅介護の人員と管理者の基準は以下の通りです。

日中

通い:常勤換算で利用者3名に対して1名以上(うち看護職員1名以上)

訪問:常勤換算で利用者2名以上(うち看護職員1名以上)

夜間

夜勤:時間帯を通じて1名以上

宿直:時間帯を通じて1名以上

※泊まり利用がない日は、宿直・夜勤職員の配置不要です。

※夜勤・宿直の看護配置基準は設けず、必要に応じた対応体制で可。

看護職員

 看護職員は常勤換算で2.5名以上(1名以上は常勤の看護師又は保健師)配置されます。なお、訪問看護ステーションと一体的に運営している場合は、看護職員の兼務可。

介護支援専門員

 介護支援専門員の配置が必要です(兼務、非常勤可)。

管理者

 管理者は専従かつ常勤で配置されます。管理者は特養などで認知症の利用者に対する3年以上の介護経験を有し、厚生労働大臣の定める研修(認知症対応型サービス事業管理者研修)を修了した者または保健師もしくは看護師(認知症対応型サービス事業管理者研修の受講は不要)です。

看護小規模多機能型居宅介護の利用条件とは

 看護小規模多機能型居宅介護を受けることのできる人は、管轄する区市町村に住んでおり、利用する事業所の所在地に住民票のある要介護1以上の認定者となります。また、常時医療機関での治療の必要性がないという人が対象になります。

看護小規模多機能型居宅介護の費用2)

 看護小規模多機能型居宅介護の費用は、原則1割負担となります。ただし、一定以上の所得のある者の場合は2割又は3割負担となります。

 同一建物以外に居住している場合の利用者が負担する費用(1割負担)は表1のとおりです。

 これらの費用に加えて食費、宿泊費、光熱費、おむつ代や理美容費といった日常生活費など別途必要になります。また、看護小規模多機能型居宅介護を利用している間は、訪問リハビリテーションや居宅療養管理指導、福祉用具のレンタル以外のサービスを利用することはできませんので注意しましょう。また、利用する事業所によって、サービス提供体制強化加算、介護職員処遇改善加算(現行加算)、介護職員等特定処遇改善加算(特定加算)が加わり、自己負担額が異なる場合があります。

表1:看護小規模多機能型居宅介護の自己負担額(1割の場合)の目安6)
要介護度区分同一建物以外に居住の場合(1ヶ月につき)同一建物に居住の場合(1ヶ月につき)
要介護1 12,401円 11,173円
要介護2 17,352円 15,634円
要介護3 24,392円 21,977円
要介護4 27,665円 24,926円
要介護5 31,293円 28,195円

参考文献

  1. 厚生労働省 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)について(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. どんなサービスがあるの? - 複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護) 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 公益社団法人日本看護協会 訪問看護・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 牛越博文監修:図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本. 講談社, 東京都, 2018年, P99
  5. 地域密着型サービスの概要 関東信越厚生局(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  6. 令和元年度介護報酬改定について 厚生労働省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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