高血圧の診断
公開日:2016年7月25日 12時00分
更新日:2019年10月18日 13時29分
高血圧と診断されるには
高血圧と診断される基準値は、「収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上」です。しかし、この血圧値が一回でも出たら即高血圧と診断されるわけではありません。
血圧にはさまざまな因子が複雑に絡み合っており、常に変動しています。たまたま計測したそのときだけ高く測定されてしまった、ということも十分考えられるので、高血圧と診断されるには、通常2回以上の血圧測定で上にあげた数値が計測された場合となります。
家庭などで血圧を測定し、数値が高血圧と診断される高値だった場合には、一度医療機関を受診し、環境をかえたうえで測定することをお勧めします。
高血圧の分類
一言で高血圧といっても、血圧の数値や持病の有無は様々です。
そのため、同じ高血圧でも、それぞれ数値によって以下のように分類されます。
- 至適血圧
収縮期血圧が120mmHg未満かつ拡張期血圧が80mmHg未満 - 正常血圧
収縮期血圧が130mmHg未満かつ拡張期血圧が85mmHg未満 - 正常高値血圧
収縮期血圧が130~139mmHgまたは拡張期血圧が85~89mmHg - Ⅰ度高血圧
収縮期血圧が140~159mmHgまたは拡張期血圧が90~99mmHg - Ⅱ度高血圧
収縮期血圧が160~179mmHgまたは拡張期血圧が100~109mmHg - Ⅲ度高血圧
収縮期血圧が180mmHg以上または拡張期血圧が110mmHg以上 - 孤立性収縮期高血圧
収縮期血圧が140mmHg以上かつ拡張期血圧が90mmHg未満
度数が上がるごとに高血圧の程度は高くなり、それに伴い合併症の発症リスクは上がります。
特に糖尿病や腎不全などの持病がある場合、合併症を発症するリスクは高くなるため、より血圧のコントロールが重要となります。
高血圧と併発すると危険な因子
生活習慣病には高血圧以外にも、糖尿病や脂質異常症などがありますが、高血圧以外の危険因子や臓器の障害があることで、高血圧による予後は変化します。
注意したい高血圧以外の因子は以下の通りです。
- 65歳以上の高齢
- 喫煙の習慣
- 脂質異常症
- BMIが25以上の肥満
- 50歳未満の若年において心臓血管病を発症した家族がいる
- 糖尿病
- 慢性腎不全
この中でも、特に注意したい因子は、糖尿病と慢性腎不全であり、これらが併発は危険因子のリスクをさらにあげます。
血圧測定の場所による違い
高血圧は、血圧を測定することで診断されますが、緊張や不安などといった精神的な要因でも血圧値は変動するため、医療機関以外での測定値も高血圧と診断する上で重要な指標となります。
家庭での測定値によって、「白衣高血圧」や「仮面高血圧」を発見することが期待できるため、高血圧の患者さんに対して「血圧手帳」を配布し、家庭での数値を記入してもらうことで、血圧を長期にわたって観察することもあります。
それぞれの状況を加味したうえでの血圧測定の回数や基準は、以下の通りとなります。
- 医療機関
1~2分の間隔をあけて少なくとも2回測定し、収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上 - 家庭
1回の計測のうちにつき2回以上の測定にて、収縮期血圧135mmHg以上、拡張期血圧85mmHg以上
参考HP