白癬
公開日:2017年7月 5日 11時24分
更新日:2019年6月13日 10時47分
白癬とは
白癬とは、カビの一種である白癬菌が皮膚に感染することによっておこる病気です。白癬は体のどこにあるかで診断名が決められています。高齢者によくみられる疾患のひとつです。
足にできる白癬、つまり足白癬は俗に水虫といわれます。一般的には足の指の間がじゅくじゅくする症状がよく知られていますが、症状は様々であり、角質すなわち、あかがぽろぽろむけてくるタイプや、踵(かかと)が硬くなるタイプ、また膿ができるタイプなどいろいろとあります。
股にできる白癬はいんきんたむし、体にできるとぜにたむしと呼ばれることもあります。頭にできると毛が抜けることもあります。また爪に一旦感染すると爪が白く濁って厚くなってきます。
白癬菌の特徴
白癬菌は皮膚のもっとも外側にある角層(あかの層)に感染しますので、内臓にはほとんど感染しません。ただ白癬によって皮膚のバリアとしての働きが失われるので細菌感染がおこりやすくなります。そのため糖尿病などがある人は特にきちんとした治療が必要です。
白癬菌はカビなので高温多湿の環境を好みます。そのため夏に症状が悪くなりやすいのですが、冬の間も潜伏して感染していることも多いのです。
白癬の診断
白癬の診断は通常あかの一部を適切な部位から採取して顕微鏡で観察することによって確実になります。これは数分ででき、皮膚科外来でおこなえる検査です。皮膚科医でも見ただけで白癬と診断することは意外に難しいのです。
よく似た症状をきたす病気には、掌せき膿疱症、汗疱(かんぽう)、かぶれ、乾癬(かんせん)などいろいろとあります。治療法も全く違いますので最初に正しい診断に基づいた治療が必要です。
白癬は家族内でしばしば感染します。素足ではくスリッパやお風呂場の足ふきマットなどは共用しないことが無難です。最近、柔道などの格闘技などを通じて感染するタイプの白癬も流行しています。
白癬の治療
治療は爪白癬以外では通常、塗り薬による治療が行われます。最近の塗り薬はよくなっていて、一日一回の外用で効果が得られます。塗り薬のこつは、広めに外用することと、症状がなくなってから一月ぐらい外用を続けることです。市販薬でも成分は似ていますが、治りにくいときは医師の診察を受けたほうがいいでしょう。
爪白癬では根治のためには飲み薬の治療が必要です。副作用がないように注意しながら一定期間飲んでいくことが大切です。爪は伸びてこないと見た目が変わらないのでじっくりと治療することが必要です。
白癬の民間治療は昔からいろいろなものが試されています。ここでは詳しく述べませんが、現在の白癬の薬の効果を上回るものはありません。きちんとした治療を受けるほうがよいでしょう。