変形性関節症の症状
公開日:2016年7月25日 14時00分
更新日:2019年2月 7日 18時40分
変形性関節症の症状
変形性関節症の症状は、関節周囲の痛み、腫れ、引っかかり感や、違和感などが生じます。痛みがなく、関節の変形のみを認める場合もあります。また、炎症症状が強いときには、関節に水(関節液)がたまり、熱を持つこともあります。
背骨の変形の場合には、変形した骨が周囲の神経にさわり、下肢のしびれ・痛みなどの神経症状が出ることもあります。
以下、特に日常生活に重要な、膝関節の変形(変形性膝関節症:へんけいせいひざかんせつしょう、へんけいせいしつかんせつしょう)と、股関節の変形(変形性股関節症:へんけいせいこかんせつしょう)について詳しく記載します。
変形性膝関節症の症状の進行
膝関節の痛み、変形などにより、最終的には日常生活が困難となります。
症状は以下のように進行します。
1.初期
立ち上がり・歩き始めなど、下肢に体重をかけて動作を始めるときに膝関節周囲に痛みを感じます。休むか、動作を続けるうちに痛みは気にならなくなります。
2.中期
階段の上り下りが困難となり、膝が曲がりにくくなるため正座が困難となります。徐々に膝関節が太くなり、また左右の脚の間が開くように変形します(O脚変形)。
3.末期
外観上も変形が目立つようになります。また膝の動く範囲に制限が生じ、完全に伸びなくなったり、完全に曲がらなくなったりして、歩行が困難となります。安静時にも痛みがとれず、睡眠が妨げられる場合もあります。
変形性股関節症の症状の進行
股関節の痛み、運動制限などにより、最終的には日常生活が困難となります。
症状は以下のように進行します。
1.初期
起き上がり・立ち上がり・歩き始めなど、動作にともなって脚の付け根や太ももの前側・外側あたりに痛みを感じます。休むか、動作を続けるうちに痛みは気にならなくなります。
2.中期
痛みが強くなり、徐々に長時間立つことや、長い距離を歩くことが困難となります。痛い側の足に体重をかけるのが困難となり、お尻の筋肉が弱くなるため、特徴的な歩き方(トレンデレンブルク歩行、デュシェンヌ歩行)をするようになります。
3.末期
股関節の動きに制限が生じます。まっすぐ伸ばすことが困難となると、立つときの姿勢がお尻を突き出したような形になり、歩行に制限が生じます。またしっかり曲げることが困難になると、しゃがむ、正座する、靴を履く、などの日常生活が困難となります。安静時にも痛みがとれず、睡眠が妨げられる場合もあります。