老人クラブ
公開日:2019年7月30日 09時35分
更新日:2019年7月30日 09時35分
老人クラブとは1)
老人クラブは、地域を基盤とした高齢者が自主的に集まって活動する組織です。入会者はおおむね60歳以上の方を対象としており、約30名から100名を標準として活動を行っています。基本的な財源は、会員の会費によってまかなわれており、国、地方自治体より支援を受けながら運営しています。
老人クラブは仲間づくりを通して、生きがいと健康づくり、「生活を豊かにする楽しい活動」を行うとともに、その知識や経験を活かして、地域の諸団体と共同し、「地域を豊かにする社会活動」に取り組み、明るい長寿社会づくり、保健福祉の向上に努めることを活動の目的としています。
超高齢社会の今日、老人クラブは高齢者組織として、行政や各分野からその活躍が期待されています。健康づくり、介護予防、ボランティア、伝承活動などさまざまな取り組みを通じて、地域社会に貢献しているといえるでしょう。
老人クラブの成りたち1)
どのようにして老人クラブができたのでしょうか?
老人クラブは、長寿を祝う平安時代の「尚歯会」、さらには仏教伝来とともに日本に伝わったとされる相互扶助組織「講」が起源とされています。その後、明治時代に福岡県の「博多高砂会」や京都府の「楽寿老人会」、大正時代に熊本県の「上田地区老人会」が設立され、現在の老人クラブの基礎が気づかれました。
戦後、社会が混乱している中、老後に不安を抱く人々や老後の問題に関心を持った人々が「自らの手で自分の生活を守っていこう」と呼びかけ、全国に次々と老人クラブを作り上げていきました。
老人クラブは、1963年8月に施行された「老人福祉法」において、老人福祉を増進するための組織として位置づけられています。
全国の老人クラブ数と会員数1)
全国にはどれほどの数の老人クラブが存在しているのか、会員数とともに推移を見てみましょう。
平成30年(2018年)の厚生労働省の調べによると、平成29年(2017年)3月時点で全国の老人クラブ数は98,592クラブ、老人クラブの会員数は5,488,258人となっています。前年に比べると、老人クラブ数は2,518クラブ(2.5%)減少し、会員数も197,964人(3.5%)と減少しています。老人クラブ数、会員数ともに年々減少しています2)(図2、表1)。
年 | クラブ数 | 会員数 |
---|---|---|
2013年 | 107,997 | 6,269,200 |
2014年 | 105,532 | 6,061,681 |
2015年 | 103,821 | 5,906,292 |
2016年 | 101,110 | 5,686,222 |
2017年 | 98,592 | 5,488,258 |
老人クラブの主な活動内容1)
老人クラブの活動内容はクラブによって異なり、多種多様な活動が行われています。老人クラブの会員の話し合いにより「生活を豊かにする楽しい活動」「地域を豊かにする社会活動」を意識した取り組みがなされています。
生活を豊かにする活動
健康づくり・介護予防として
シニアスポーツ、健康学習、ウォーキングなど
趣味、文化、レクリエーションとして
子供見守りパトロール、趣味・文化などのサークル活動、旅行など
地域を豊かにする社会活動
友愛、ボランティアとして
福祉施設等への訪問、地域のボランティア活動など
安心、安全まちづくりとして
生活課題の調査・点検、地域見守りパトロールなど
世代交流、伝承として
昔遊び、民芸、手工芸の伝承など
環境、生産、リサイクルとして
農作物や花の栽培、公園や公共施設の環境整備、リサイクルなど
高齢者が日本の総人口の4人に1人になり、人生100年時代を言われる中、老人クラブの活動に対する社会的な期待は大きいといえるでしょう。
老人クラブの加入方法
老人クラブは、おおむね60歳以上の方ならどなたでも参加可能です。60歳未満の方の参加も受け入れ可能なクラブもあります。
老人クラブの活動の財源は、基本として老人クラブ会員の会費でまかなわれています。老人クラブの規模は約30名から100名を標準とし、日常的に声をかけ合い、歩いて集まることのできる地域の範囲で活動しています。
老人クラブに参加することで、仲間が増え、行動範囲も広がり、健康へもつながります。また今まで培った知識や経験を活かす場もあり、高齢者にとって重要なコミュニティであることは間違いないでしょう。
老人クラブに関する情報は、市区町村の老人クラブ連合会、または、お住まいの自治体の高齢福祉課にお問い合わせください。