健康長寿ネット

健康長寿ネットは高齢期を前向きに生活するための情報を提供し、健康長寿社会の発展を目的に作られた公益財団法人長寿科学振興財団が運営しているウェブサイトです。

地域カフェ・コミュニティカフェ・シニアサロンとは

公開日:2019年1月10日 09時29分
更新日:2022年7月13日 11時01分

地域カフェ・コミュニティカフェ・シニアサロンとは1)

 各市町村や自治体では、高齢者が住み慣れた地域で生きがいを持って、健康で楽しい生活が送れるように、様々な取り組みが行われています。

 例えば、高齢者の安否確認や、移動販売による買い物補助、外出支援や食材宅配などの生活支援、そして高齢者同士の交流を目的とした地域カフェ・コミュニティカフェ・シニアサロン(以下、シニアサロン)などです。これらは「通いの場」とされており、市町村が中心となってボランティアや民間企業、地域住民等が運営しています。

 活動への参加は強制ではなく、高齢者の自主性に任せられています。また、運営のための事業経費や、家賃、光熱水費などを、市町村が補助または負担するため、参加費が安くなります。

市町村による新しい地域づくり2)

 厚生労働省が推進する新しい地域づくりとは、支援を要する高齢者が利用できる様々な「通いの場」づくりを、市町村が中心となって企画・立案することです。その通いの場の一つがシニアサロンであり、サロンを運営するのは、市町村によって発掘・養成されたボランティアです。支援を要していた高齢者が、サロンを利用する中で担い手となることもあり、交流の場としてだけでなく、活躍の場ともなっています(図1)。

図1:厚生労働省が推進する市町村による新しい地域づくり(生活支援・介護予防の充実)を示す図。
図1:市町村による新しい地域づくりの推進2)

シニアサロン等の事例

 シニアサロンは、「認知症カフェ」「コミュニティカフェ」などともよばれ、全国各地で開催されています。住民主体で行われているため、その内容は地域によって異なります。いくつか事例をご紹介します。

認知症カフェの事例

 認知症カフェもシニアサロンの一つであり、認知症の人やその家族が、地域の人や専門家と相互に情報を共有し、お互いを理解し合う場として利用されています。2014年の調査では、41都道府県280市町村にて、655カフェが運営されていることがわかっています3)

 仙台市青葉区の事例を紹介します。

 認知症介護研究・研修仙台センターが監修し、地域包括支援センター、地域支援推進員、町内会、地域の他の法人等が共同運営をしています。認知症の人は毎回7~8名で、家族や地域住民、専門職、学生などが参加しています。

 大学のカフェを利用し、オランダスタイルの音楽カフェが開催されています。毎月1回、音楽を聴いて、談話します。

コミュニティカフェの事例4)

 では次に、新潟県新潟市の事業を紹介します。新潟県新潟市では、若者の職業的自立支援のために新潟地域若者サポートステーションと連携し、就労体験事業所及び居場所を提供しています。

 ニートやひきこもりといわれる若者の就労体験事業所及び居場所を設け、毎日2人程度のジョブトレーニング希望の若者を受け入れています。

 仕事をすることの素晴らしさ、喜びを感じてもらい社会的に自立してもらうことを目的としています。

サロンの事例5)

 サロンとは、主に高齢者の通いの場として、健康や趣味などに関わる活動が行われる場所です。

 ここでは、石川県小松市の事例を紹介します。石川県小松市では、地域の公民館などを利用し、閉じこもり予防、楽しい交流の場、生きがいづくりを目的としたサロンが開催されています。2007年に始まったこの活動は、民生委員や老人クラブ員、健脚推進ボランティア等のお世話役員が3~5人設置され、現在は月に4回ほど実施されています。

 内容としては「転倒予防の体操」などですが、2014年度の登録者数は5,222名、延べ参加人数は142,950名に上りました。

シニアサロンを利用するには6)

 地域によって、地域カフェ、コミュニティカフェ、シニアサロン、認知症カフェなど、さまざまな名称がありますが、基本的には地域に住む65歳以上の方なら誰でも受けられるサービスであり、希望するときに利用することができます。

 費用については、地域により、あるいは運営場所や活動内容によって異なりますが、全額利用者負担となります。場合によっては、無料のものもあるようです。

 これらの取り組みは、市区町村が中心となって、NPO・民間企業・ボランティアなどの地域の多様な主体と協力して提供されるサービスです。活動内容、活動場所、費用などの詳しいことは、市区町村のホームページや窓口に問い合わせするとよいでしょう。

お住まいの地域の介護サービス事業所の検索について

 厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」は、全国の介護サービス事業所のサービス内容などの詳細情報を、インターネットで自由に検索・閲覧できるシステムです。

 介護サービス事業所とは、介護保険法に基づき、自宅における生活支援、日帰りで通う機能訓練・デイサービス及び施設における入所(入居)支援などのサービスを提供する事業所又は施設のことです。都道府県知事等により「指定」を受けています。

 また、市町村が地域包括支援センター、生活支援等サービスの情報を公表している場合は検索できます。

介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」(厚生労働省)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

参考文献

  1. 厚生労働省 介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 厚生労働省 市町村による新しい地域づくりの推進(生活支援・介護予防の充実)(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 厚生労働省 認知症カフェ実施状況(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 厚生労働省 事例紹介ふるさと雇用再生特別基金事業(介護・福祉分野)(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  5. 厚生労働省 健脚推進ボランティアとの協働によるいきいきサロンの運営について 石川県小松川市の事例(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  6. 牛越博文監修:図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本. 講談社, 東京都, 2018年, P45-P51

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