ケアハウスとは
公開日:2019年2月12日 09時20分
更新日:2019年6月28日 11時49分
ケアハウスとは1)
ケアハウスとは、家庭での生活が困難な60歳以上の高齢者が、低料金で食事や洗濯などの介護サービスを受けられる施設です。ケアハウスは、社会福祉法人や地方自治体、民間事業者などによって運営される福祉施設です。軽費老人ホームの一種であり、「軽費老人ホームC型」とも呼ばれています。
軽費老人ホームは、A型、B型、都市型、C型、の4つに分けられます。現在はA、B型は経過的措置であり、新設は認められていません2)3)。軽費老人ホームの大半が、ケアハウスです。
ケアハウスの居室は、原則個室となっており、面積基準は、単身21.6m²(13畳)以上、夫婦31.9m²(19畳)以上となります。地価が高い都市部では、郊外のケアハウスに比べると居室面積や職員配置などの基準が緩和されています。このような施設は、都市型軽費老人ホームと呼ばれています。定員20名以下で、居室面積7.43m²/人(4.5畳)以上(10.65m²/人が望ましい)とされています4)。
ケアハウスの種類
ケアハウスには、「一般(自立)型」と「介護型」の2種類があります。身体機能の低下等が認められる方、高齢のため独立して生活するには不安が認められる方が入所されています。
一般(自立)型ケアハウス
一般(自立)型ケアハウスは、家族による援助を受けることが難しく、自立した生活に不安のある60歳以上(夫婦の場合、どちらか一方が60歳以上)の方が利用できる施設です。受けられるサービスは、食事、掃除・洗濯等の生活支援、緊急時の対応などです。介護サービスを利用する場合は、外部事業者との契約となります。
介護型ケアハウス
介護型ケアハウスは、65歳以上で要介護度1以上の高齢者を対象としています。特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設であり、食事・生活援助サービスだけでなく、特定施設入居者生活介護サービス(入浴、排泄、機能訓練、療養上のお世話等)を行うことができる施設です。認知症や看取りの対応をしているところもあり、介護度が上がっても退去する必要はなく、長く住み続けられます。
ケアハウスの費用負担5)
ケアハウスは、入居一時金と月額費用を払うところが多くなっています。入居一時金は、保証金等の初期費用であり、一般(自立)型ケアハウスは、0円から数十万円、介護型ケアハウスは、0円から数百万円かかります。
ケアハウスの月額費用としては、介護サービスの自己負担額とその他の生活費(居住費、食費、水道光熱費等)で、7万円から20万円程度となります。介護型ケアハウスは、介護サービス費が含まれるため、一般(自立)型ケアハウスよりは高くなります。
ただし、一般(自立)ケアハウス型でも外部による介護サービスが受けられ、利用に応じて介護サービス費用は発生します。上記金額はあくまで目安ですので、施設に確認してみましょう。
ケアハウスの職員体制6)
ケアハウスの人員基準として、管理者が1人(兼務可)、生活相談員が入所者100人ごとに1人、看護・介護職員が要支援者10人につき1人、要介護者3人につき1人(ただし、看護職員は要介護者が30人までは1人、30人を超える場合は、50人ごとに1人必要)、機能訓練指導員1人以上(兼務可)、計画作成担当者(ケアマネージャー)として入所者100人ごとに介護支援専門員1人以上(兼務可)としています。
ケアハウス内の介護サービスについて
介護保険のサービスである「特定施設入所者生活介護」(要介護者の場合)、「介護予防特定施設入居者生活介護」(要支援者の場合)の指定を受けた施設では、ケアハウス内での介護サービスは介護保険の給付の対象となります。また、施設がこれらの指定を受けていない場合でも、個別にケアマネジャーを通じて介護サービスを利用できます。
参考文献
- 一般社団法人高齢者住まいアドバイザー協会著:高齢者住まいアドバイザー検定R公式テキスト, 第2版, ブックウェイ, 兵庫県,2018年, P192,P193