夜間対応型訪問介護とは
公開日:2019年2月12日 17時50分
更新日:2019年10月23日 09時00分
夜間対応型訪問介護とは1)2)3)
夜間対応型訪問介護は2006年4月の介護保険制度の改正により創設されたもので、名称の通り、訪問介護員(ホームヘルパー)等が夜間に自宅に来てくれるサービスです。中重度の要介護状態となっても、24時間安心して在宅生活が継続できるよう、18時から翌朝8時の夜間に定期的に各自宅を巡回し、排泄の介助や安否の確認をする「定期巡回」を行います。また、夜間の定期巡回に加え、利用者の求めに応じて随時対応する訪問介護「随時対応※」を組み合わせたサービスです。
- ※随時対応:
- 随時対応とは、転落して自力で起き上がれない場合や夜間に急に体調が悪くなった場合などに、オペレーターを介して連絡を取り、ホームヘルパーによる介護や救急車の手配等を行うサービスです4)。
なお、利用者への直接的な援助に該当しないサービス(利用者の家族のための家事や来客の対応など)、日常生活の援助の範囲を超えるサービス(草むしり、ペットの世話、大掃除など)は受けられません4)。
限られた事業所が行うサービスなので、お住まいの地域では利用できない場合があります。詳しくは、ケアマネジャーや市町村の介護保険担当にお問い合わせください。
夜間対応型訪問介護の対象者
夜間対応型訪問介護は要介護の認定を受けた方で、利用する事業者と同一の市町村に住んでいる方が対象となります。
要支援1あるいは要支援2の方は利用できません。
夜間対応型訪問介護の自己負担額の目安
夜間対応型訪問介護の利用料の目安は、表1、表2の通りです。
利用する事業所に、オペレーションセンターが設置されている場合は表1、設置されていない場合は表2がおおよその目安となります。
つまり、オペレーションセンターが設置されているかどうかで、料金が異なります。設置されている場合は、基本サービス費に加えて、定期巡回、随時対応の回数分の費用がかかります。
区分 | 利用者負担 |
---|---|
基本夜間対応型訪問介護費(1月につき) | 1,013円 |
定期巡回サービス費(1回につき) | 379円 |
随時訪問サービス費:1人で訪問した場合(1回につき) | 578円 |
随時訪問サービス費:2人で訪問した場合(1回につき) | 778円 |
区分 | 利用者負担 |
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基本夜間対応型訪問介護費(1月につき) | 2,751円 |
事業所と同一敷地内または隣接する敷地内の建物の利用者又は事業所以外の範囲にある同一建物の利用者の人数が1月あたり20人以上にサービスを行う場合は自己負担額×90%、事業所と同一建物の利用者の人数が1月あたり50人以上にサービスを行う場合は自己負担額×85%になります。
また、利用する事業所によって、サービス提供体制強化加算、介護職員処遇改善加算(現行加算)、介護職員等特定処遇改善加算(特定加算)が加わり、自己負担額が異なる場合があります。
オペレーションセンターとは
夜間対応型訪問介護のオペレーションセンターは利用者約300人に対し、1ヵ所設置されています。利用者の通報をオペレーターが受け、指示やアドバイスをしたり、ホームヘルパーを派遣します3)。
オペレーターは、看護師や介護福祉士、ケアマネジャーなどの資格を持つ人が担当します。利用者の心身状況や環境などを把握し、随時適切なサービスが提供できるよう、利用者と面接したり、利用者宅を定期的に訪問することもあります。
2016年から、日中のオペレーションサービスも介護保険対象となり、利用者が24時間安心して生活できるようになりました。さらに2018年度の介護報酬改定に伴い、オペレーターの基準の見直しが行われました。
これまでは、オペレーターに求められる資格条件は、看護師、介護福祉士、医師、保健師、准看護師、社会福祉士、介護支援専門員、サービス提供責任者として「3年以上」従事した経験を持つ者とされていました。2018年4月以降は、経験年数が「1年以上」に変更となりました5)。
夜間対応型訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の違い
夜間対応型訪問介護に類似したサービスとして、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」があります。
「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」との違いは、以下の通りです。
- サービス提供時間が夜間帯(18時~8時)に限定されている
- 医療対応ができない
- 呼び出し回数に応じた料金がかかる
つまり、利用者が看護を必要とするかどうか、昼間の巡回を必要とするかで、サービスの利用を検討するとよいでしょう。
参考文献
- 江田章江ほか編:困りごとから探せる介護サービス利用法[改訂版], 社会福祉法人東京都社会福祉協議会, 東京都, 2017年, P62
- 牛越博文監修:図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本. 講談社, 東京都, 2018年, P86,P87