慢性肝炎
公開日:2017年6月30日 10時05分
更新日:2019年2月 1日 19時31分
慢性肝炎とは
慢性肝炎は、B型あるいはC肝炎ウイルス、アルコール(毎日5合、10年以上の飲酒で肝硬変になると言われています)、常用薬剤により、肝細胞が持続的に破壊され炎症が引き起こされるためにおこります。
慢性肝炎の症状
慢性肝炎の自覚症状としては倦怠感、微熱などで、無症状にて健診などの採血で発見される場合もあります。血清学的データにおいても急性肝炎と比べてトランスアミナーゼ値の異常は比較的軽度で、300~500IU/ml程度の場合がほとんどです。
慢性肝炎の診断
慢性肝炎の診断は、薬歴、飲酒歴の聴取や肝炎ウイルスの血清学的マーカーの検索によって行います。
慢性肝炎の治療
慢性肝炎の治療は、B型肝炎による場合は、インターフェロンの注射、ラミブジン(エイズにも使用します)の内服、C肝炎ウイルスの場合はウイルスのタイプと量にもよりますが、リバビリンの内服+ペグインターフェロンの注射を使用します。
しかし、ラミブジンは長期使用による耐性株の出現が問題となっていますし、肝炎ウイルス除去を目的としたインターフェロン療法は、その副作用の多さ(発熱、食欲減退、汎血球減少など)や治療が長期にわたることなどから高齢者に対する適応は慎重とすべきで専門家に相談する必要があります。
これらの治療が適応外の場合は、強力ミノファーゲンCなどの肝庇護剤を使用します。
慢性肝炎の予後
慢性肝炎は、将来的に肝硬変に移行したり、肝臓癌を合併する場合があるので、採血、腹部超音波やCT検査などによる画像的な定期的経過観察(年3~4回)が必要となります。