腰部脊柱管狭窄症の症状
公開日:2016年7月25日 14時00分
更新日:2019年2月 7日 18時38分
腰部脊柱管狭窄症は、さまざまな病態により脊柱管が狭くなり、殿部から下肢の痛みやしびれをきたした状態です。
腰部脊柱管狭窄症の代表的な症状
代表的な症状には以下のようなものがあります。
間欠跛行(かんけつはこう)
腰部脊柱管狭窄症の、最も代表的な症状です。安静時には症状が無い、もしくは軽度の人が、ある程度の距離をあるくと下肢に痛みやしびれが生じ、歩くことが困難となります。一度腰をかがめて休むと、症状は軽くなり、また歩けるようになりますが、しばらく歩くとまた症状が出ます。
進行すると、だんだんと歩ける距離や時間が短くなり、安静時でも症状が出るようになります。
感覚神経障害、坐骨神経痛
下肢の痛みやしびれ、感覚鈍磨、感覚過敏、などがあります。冷えるような感じ、灼熱感をうったえることもあります。
なお、殿部から下肢にかけて走る神経を坐骨神経と呼ぶため、この領域に痛みが出る場合、坐骨神経痛と呼ぶこともあります。
運動神経障害、筋力低下
運動神経が障害されると、力が入りにくくなります。具体的には、歩くときに体重が支えづらい、足が上がりにくい、スリッパが脱げやすい、などの症状がでます。進行すると実際に筋肉が萎縮し、筋力低下がおこります。
腰痛
腰痛や、腰の周りが重い・張るなどの症状を認める場合があります。下肢の症状だけで、腰痛は全く認めない場合もあります。
膀胱直腸障害
進行すると、肛門周囲のほてりや、尿が漏れやすくなる・出にくくなる、などの症状をきたすこともあります。
病態と症状との関係
背骨の中を走る神経は、徐々に枝分かれして体の中の様々な部位に行きます。腰から出る神経は下肢に向けて枝分かれし、枝分かれの高さにより、下肢のどの部分に行くかが決まっています。そのため、症状のある部位を参考に、実際に脊柱管が狭くなっている場所を推測することが可能です。
脊柱管の圧迫形式と症状の関係は、下記の3タイプに分類されます。画像所見と症状が一致しないときには、追加検査を行い、詳しい原因を調べます。
馬尾型(ばびがた)
脊柱管の中心部分が圧迫されるタイプです。左右両下肢の神経症状や、膀胱直腸障害が特徴的です。
神経根型(しんけいこんがた)
中心から枝分かれした神経が圧迫されるタイプです。左右どちらかの下肢の神経症状が出ます。
混合型
馬尾型と神経根型、両方の症状が起きているタイプです。