腰部脊柱管狭窄症のケア
公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2019年2月 7日 18時37分
早期診断が大切
腰部脊柱管狭窄症は高齢者に多く、歩行や買い物などの日常生活に支障が出て、引きこもり、寝たきりになる方もいます。また精神面にも影響が出て、うつ状態になる方もいます。疑わしい症状がある方は積極的に整形外科を受診しましょう。
とくに、神経への障害は、ひどくなると回復しにくくなるという特徴があります。症状が悪化しないうちに治療を開始し、悪化をふせぐことが大切です。
日常生活で気をつけること
腰部脊柱管狭窄症の診断が確定したら、生活にあたっては、以下のような点に気をつけましょう。
症状が出にくい姿勢をとる
症状を自覚しにくい姿勢は、神経が障害を受けにくい姿勢です。症状が出にくい姿勢をとることで、神経のダメージが悪化するのを防ぎましょう。
とくに、腰をそらす姿勢により、神経が圧迫され、症状が出やすくなりますので気をつけましょう。
杖や手押し車を使う
外出時は杖や押し車を使うと、症状の出にくい前かがみの姿勢で歩行しやすくなります。
自転車を使う
自転車をこぐ姿勢は、腰がまがり、症状が出にくい姿勢といえます。遠くに行くときや買い物時は自転車を利用すると良いでしょう。
踏み台を使う
立ち仕事のときには、片足を踏み台のようなものに乗せると良いでしょう。高いところの物をとるときも、踏み台を利用することで背をそらさずに取れるようになります。
重い荷物に注意
重い荷物を持つときは、体の近くで持つことで、体をそらさずに持てるようになります。
体重をコントロールする
肥満の方では、体重を減らすことで腰椎や周囲の筋肉にかかる負担を減らすことができます。下肢の神経症状があると、運動量が落ちて体重が増えやすくなることもあるので、体重コントロールに気をつけましょう。
禁煙
喫煙により血液の循環が悪くなり、症状が悪化します。また、喫煙は心臓や肺に負担をかけ、手術時の合併症の危険性が上がります。
運動
筋力の低下を防ぐため、ある程度の運動は有効です。痛みがある部位の筋肉がほぐれると、症状の改善にもつながります。症状が出ない範囲で適度に運動を行いましょう。とくに、自転車漕ぎなどは痛みがおこりにくく、よい運動といえます。
ただし、無理な運動は行わないようにしましょう。痛みがあるのに我慢して長時間歩く、などは神経にダメージが加わるため逆効果です。