関節リウマチの症状
公開日:2016年7月25日 14時00分
更新日:2019年6月 4日 11時01分
関節リウマチの症状は、関節症状と、関節以外の症状(関節外症状)に分けることができます。
関節症状
主な関節症状は、痛みや腫れ、朝のこわばり、変形などです。
関節の痛み・腫れ
ほとんどの患者さんで手足の指の関節に症状が出ます。とくに指先から2番目の関節や、手首(手関節)が左右同時に腫れてきた場合は、関節リウマチの疑いが強くなります。
手指のほか、膝、肘、肩、足首、頚椎(くびの骨)などにも症状が出ます。
朝のこわばり
朝、起きたときに、手足の指や膝などの関節が腫れぼったく、動かしにくい感覚があります。使っているうちに、関節は徐々に動かしやすくなります。
関節の変形
病気が進行すると、骨の菲薄化(ひはくか:薄くなること)や骨びらん(骨の欠損)、腱断裂などにより、特徴的な関節の変形をきたします。
手指が小指側に斜めになる「尺側偏位(しゃくそくへんい)」、手指の第1・第2関節が反ったり曲がったりする「スワンネック変形」「ボタンホール変形」、足の第1足趾(親指)が第2足趾側に曲がる「外反母趾」、足趾が曲がってしまう「槌指(つちゆび)変形」などが有名です。
関節の破壊が進行すると、徐々に関節を動かせる範囲が狭くなります(拘縮:こうしゅく)。最終的には骨同士がくっつき、関節を全く動かせなくなる場合もあります(強直:きょうちょく)。
また、頚椎に変形がおこると、ずれが生じ、首の骨の中にある神経が圧迫されることで手足のしびれや麻痺をきたす場合があります(環軸椎亜脱臼:かんじくついあだっきゅう)。
関節外症状
関節症状のほかに、下記のような症状をおこすこともあります。
全身症状
- 全身のだるさ
- 食欲不振
- 発熱
- 筋力低下
- 貧血
肺病変
- 肺繊維症、間質性肺炎(肺の炎症により、呼吸困難や息切れがおこる)
- 胸膜炎(きょうまくえん:肺を包む膜の炎症により、呼吸時の胸部痛や、呼吸障害がおこる)
皮膚病変
- 皮下結節(リウマチ結節:肘や後頭部などにコブのようなものができる)
- 皮膚潰瘍
眼病変
- 強膜炎(きょうまくえん:目の白目の部分に炎症がおこり、充血や、眼の痛みがおこる)
血管病変
血管の炎症により、全身のさまざまな臓器に障害があらわれる
末梢神経病変
末梢神経に炎症がおこり、しびれや麻痺をきたす
悪性関節リウマチ
関節リウマチの患者さんで、血管炎などの関節外症状が強くあらわれ、指定の診断基準を満たすと「悪性関節リウマチ(リウマトイド血管炎)」と診断されます。関節リウマチの患者さん全体の約0.6%が該当します。
通常の関節リウマチよりも全身症状が重篤になりやすく、積極的な加療が必要です。
悪性関節リウマチは「厚生労働省特定疾患」として指定されており、都道府県の指定した医療機関でうけた医療費、および一部の介護サービスが助成されます。