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虚血性心疾患の原因

公開日:2016年7月25日 14時00分
更新日:2019年6月20日 17時37分

虚血性心疾患の主な原因は動脈硬化

 虚血性心疾患を引き起こす主な原因として、真っ先に挙げられるのが「動脈硬化」です。では、動脈硬化について詳しく解説していきましょう。

動脈硬化の3つの分類

 動脈硬化には、「アテローム性動脈硬化」「中膜動脈硬化」「細動脈硬化」の3つに分類されます。

 そのうち、最も発生率が高く、様々な障害を起こす原因となりうるのが「アテローム性動脈硬化」です。アテローム性動脈硬化は、血管の内側に脂質や血液内に漂っている異物が病的に集積して、アテローム(粥腫)を形成します。このアテロームが肥大すると血管の内側をどんどん狭めるだけでなく、アテロームが破裂することで出血が起こり、血栓を作るリスクも高くなります。

 他の2種類に比べ、動脈硬化としてはこのアテローム性動脈硬化の発生率が高く、注意が必要です。

動脈硬化は全身の血管に病気を引き起こす恐れがある

 動脈硬化が進行すると、全身の様々な血管の狭窄(きょうさく)・閉塞が起こります。また、動脈硬化によって血管そのものが傷つき、脆くなってしまいます。特にアテローム性動脈硬化の場合は、血の塊である血栓を形成しやすいため、この血栓が全身の狭まっている血管をふさいでしまうことで「塞栓症(そくせんしょう)」を引き起こし、急激に血液の流れを遮断してしまう可能性があります。

 全身の重要な臓器に病気を引き起こす恐れのあるもの、それが動脈硬化なのです。

動脈硬化の危険因子

 動脈硬化は、生活習慣病が密接に関係しています。「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」の持病があると、動脈硬化のリスクが高いとされています。

 他にも、「加齢」「遺伝」「喫煙」「肥満(BMI25以上)」「運動不足」「ストレス」なども、危険因子として挙げられています。

動脈硬化を防ぐためには

 虚血性心疾患を防ぐためには、原因となる動脈硬化を防ぐことが大切となります。では、どういったことに注意することで、動脈硬化を防ぐことができるのでしょうか?

自分が動脈硬化を起こしやすいということを知る

 動脈硬化は、先ほどあげた様々な危険因子があります。その中でも特に「加齢」「遺伝」については、自分でコントロールすることができないものとなっています。そのため、「自分は動脈硬化を起こしやすい年齢になったんだ」「私は他の人に比べて家族に動脈硬化を起こしている人がいるから、動脈硬化を起こしやすい」ということを認識しておく必要があります。

 また、一般的に女性に比べ、男性の方が動脈硬化は引き起こしやすいということがわかっていますが、女性も閉経後は悪玉コレステロールの代謝を促す女性ホルモンの分泌が下がることから、動脈硬化を起こすリスクが上がるといわれていることから、注意が必要です。

持病がある方は、それ以上悪化しないようにコントロールする

 動脈硬化の3大リスクと言われているのが「糖尿病」「脂質異常症」「高血圧」です。これらの病気の治療において、メインは食事療法と運動療法となりますが、必要に応じて薬物療法も取り入れることで、ある程度のコントロールが可能となっています。

反対に、定期的に診断を受けずに放置してしまうと、動脈硬化のリスクはどんどん上がってしまいます。特に薬物療法にてコントロールを行っている場合、途中で中断することでむしろコントロールが不良となり、急激に症状が進むだけでなく、動脈硬化のリスクが高まる可能性があります。

 医師の指示のもと、適切な食事、運動、薬による治療を継続して行うことが大切となります。

メタボ診断を受診する

 近年始まった「メタボリック診断」。これは生活習慣病の早期発見とともに、肥満の中でも内臓脂肪型肥満の早期発見も目的とされています。

 内臓脂肪型肥満の方が生活習慣病を発症していると、お互いが動脈硬化を促進しあうということがわかっています。そのため、メタボ診断にてメタボリックシンドロームだと診断された場合には、動脈硬化のリスクが通常よりも飛躍的に高いということを認識し、生活習慣の改善に努める必要があります。

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