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高齢者の排尿障害

公開日:2017年7月 4日 13時57分
更新日:2019年6月21日 11時53分

排尿障害とは

 排尿障害とは何らかの原因で排尿しにくいことです。排尿の調子が悪いこと全般を下部尿路機能障害といい、排尿の調子の症状全般を下部尿路症状といいます。

 尿をためる際の問題を蓄尿障害と言い、尿をためることに関連した症状を蓄尿症状といいます。排尿の際の症状は排尿症状といい、排尿の際の問題は排尿障害と呼ぶのですが、排尿障害という言い方には下部尿路機能障害と同じおしっこが悪いこと全般を指す意味もあります。

 用語の誤解を招きやすいため、このページでは排尿の際の問題のことを尿排出障害と呼ぶことにします。

蓄尿症状とは

 蓄尿症状の代表的なものとしては、排尿の回数が多い頻尿、尿が漏れてしまう尿失禁、急におしっこがしたくてたまらなくなってしまう尿意切迫感などがあります。

尿排出障害と排尿症状

 尿排出障害とは排尿の際の問題です。つまり、尿がスムーズに出ない場合や、尿を全部出し切れない場合などがあり、最もひどいのは尿がぜんぜん出せない尿閉というものです。

 排尿症状とは尿が出しにくい感じのことですが、もう少し詳しく分類されます。排尿の勢いが弱い、排尿が途中で何度か止まってしまう、尿が出始めるまでが遅い、排尿するのにおなかに力を入れないといけない、排尿の終わりがけがすっきりしない(残尿感)、などがあります。

障害と症状の関係

 通常、蓄尿障害は蓄尿症状を引き起こし、尿排出障害は排尿症状を起こします。しかし、必ずしもそれだけではありません。尿を全部出し切れない場合に膀胱(ぼうこう)の中に残った尿のことを残尿といいますが、空っぽにできなければまたすぐにいっぱいになってしまうので、排尿の回数が増えてしまいます。つまり尿排出障害は蓄尿症状の原因になります。

 逆に尿がしっかりためられない場合には、尿が少ししか出ませんから、排尿の勢いは弱くなってしまいます。ですから蓄尿障害も排尿症状の原因になるわけで、症状だけから病気を判断するのは難しいのです。

尿排出障害の原因

 尿排出障害の原因は大きく分けると2つあります。膀胱がうまく縮まない場合と、膀胱は縮んでいるのに尿の通り道がうまく広がらない場合です。

 前立腺肥大症は尿の出方が悪くなる病気の一番有名なものですが、大きくなった前立腺によって尿の通り道が狭くなります。他にも石やひきつれによって尿の通り道はせまくなります。まれに排尿の際にがまんする筋肉が縮んでしまって排尿がうまくできなくなる場合もあります。

 膀胱がうまく縮まない、もしくは縮む力が弱い場合も尿をうまく出せなくなります。

 年齢とともに膀胱の性能は低下し、膀胱の力が弱い人が増えます。神経の病気や手術による神経の障害でも膀胱の力は弱くなります。残念ながら膀胱の力を強くする薬はあまりよいものはありません。

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