筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状
公開日:2016年7月25日 14時00分
更新日:2019年2月 7日 18時37分
筋萎縮性側索硬化症の初期症状とは
筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは、脳の運動神経(運動ニューロン)の障害によって体の運動機能に影響を及ぼすものです。
最初の段階で症状として多いものとしては、手足のしびれ、手足の脱力感や力が入らないといったことがあります。そして、呂律が回りにくくなり、はっきり発声できないといったことがあります。また、初期の段階の症状としては、他の病気の可能性もあり、判断できないことが多くあります。
筋萎縮性側索硬化症の症状の特徴
はじめは体の一部に感じる違和感が、時間の経過によって次第に体全体に及ぼします。症状がどこかの段階で治まるといったことがなく、常に進行していきます。そして最終的には自分の意思で体を動かすことが出来なくなります。
筋萎縮性側索硬化症の主な症状
筋肉萎縮症の主な症状について次のようなものがあります。
- 筋力の低下
- 手足のこわばり
- 筋肉の萎縮
- 嚥下障害
- 呼吸障害
- 舌運動麻痺
- 構音障害(呂律が回りにくくなり、しっかり声として発声できない)
これらの他に、少しの刺激など、感情に関係なく笑った表情や怒った表情になるといったのもあります。また、こういった障害と同時に言葉の意味が理解できなくなるといった認知症を併発されることもあります。
筋力が低下して動けない状態が続くことや食事がうまく取れないことで体重減少することがあります。
筋萎縮性側索硬化症の初期症状による分類
筋萎縮性側索硬化症の発症する様式によって分類されています。
- 普通型
- 進行性球麻痺型(しんこうせいきゅうまひ)
- 偽多発神経型
といった3つの主なもので分類されています。
普通型とは、主に上半身に症状が出るもので、筋肉が痩せて上半身腕や手の筋力が低下してくるものです。下半身は体のこわばりやつっぱりといった症状です。
進行性球麻痺型とは、脳幹(のうかん)を構成する部分の一部である延髄(えんずい)が障害になることによって、嚥下障害、言語障害といったものが主な症状として見られるものです。
偽多発神経型とは、下半身の足に症状が主に表れるものです。足全体の筋肉の反応が低下することで動きにくくなり、足の腱の反射が減少してくるといったものです。
これら以外に呼吸が苦しいといった症状が主に出るものや、脳の前頭葉部分の障害などから、意欲低下や異常行動や言語理解能力の低下といったものが主に見られるといったものなどもあります。
複数の症状が同時に発症する場合は病気の進行が早い場合が多いようです。
こういった発症するタイプによって、治療の方針などを決める手掛かりとなります。
筋萎縮性側索硬化症の症状の経緯
症状が発症してからの病状の進展ですが、進行のスピードは速い病気です。人工呼吸器を使用しない場合、平均発症から2~5年で死亡します。発症のタイプによっては、人工呼吸器を使用せずに発症から20年以上の生存のケースもあります。症状や病状の進行度合いについては個人差が大きい病気です。
現在病気の研究中ということもあり、リハビリなど対処療法、薬による進行を遅らせるもの、症状が進行した場合の人工呼吸器など使用することで機能低下を少なくすることで進行を緩やかにすることが可能です。