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垂直跳びの測定方法と測定器

公開日:2016年7月25日 07時00分
更新日:2019年2月 1日 15時55分

垂直跳びの測定の目的・意義

 垂直跳びは、脚部の筋力と瞬発力が発揮される筋パワーの測定です。自分の身体(体重)を短時間でどれだけ動かすことができるかを測定します。

 垂直跳びは主に股関節、膝関節、足関節の協調性と脚筋力の他にも、空中で体勢を保持するための体幹安定性など複合的な体力が必要となります。体力要素の中では筋力、瞬発力が該当します。

垂直跳びの測定器

 垂直跳びの測定器はその測定方法によって様々な種類があります。垂直跳びをして最高到達点を手で測定器に触れることで高さを計測する壁に取り付けるタイプの測定器(写真1)、腰に紐をつけて垂直跳びの跳躍時に紐が伸びた長さを測るタイプの測定器(写真2)、跳躍時間から垂直跳びの高さを推定するタイプの測定器(写真3)があります。

写真1:壁にとりつける垂直跳び測定器
写真2:腰に紐をつけて計測するデジタル垂直跳び測定器
写真2:腰に紐をつけて計測する垂直跳び測定器(引用:竹井機器工業株式会社)
写真3:滞空時間から推定するデジタル垂直跳び測定器
写真3:滞空時間から推定する垂直跳び測定器(引用:竹井機器工業株式会社)

垂直跳びの測定手順

壁に取り付ける測定器での測定手順

 壁面から20cm程度離れた床面に、壁と平行に直線を引きます。壁に対して横向きに立ち、壁側の腕をまっすぐ拳上し、その指先に測定板の0cmの基準を合わせます。壁側の腕の手にチョークの粉を付けます。その場で膝を曲げ、腕を振ってできるだけ高く跳び上がり、最高到達点で測定板に指先でタッチします。記録はcm単位とし、cm以下は四捨五入します。

腰に紐をつけて計測する場合の測定手順

 腰に紐をつけて測定する場合は、測定器のマット上に立ちます。腰に紐を巻き付け、緩みがないようピンと張ります。跳躍前の立位姿勢の腰の高さが基準の0cmとなります。その場で膝を曲げ、腕を大きく振りながら真上に跳び上がります。測定器の紐に身体の一部が引っかかったり、斜めに跳び上がることがないよう注意が必要です。

滞空時間から推定する垂直跳び測定器の測定手順

 滞空時間から跳躍高を推定する方法の場合は、測定器のマット上に立ちます。膝を曲げ、腕を大きく振って真上に跳び上がります。

垂直跳びの評価・年齢別平均

 垂直跳びの平均値は、表のとおり年代によって異なります。筋パワーを評価する垂直跳びは加齢に伴い大きく平均値は低下する傾向があります。

表:垂直跳びの年代別平均値1)
年代平均値±標準偏差(cm)
60~64歳 32.9±7.6
65~69歳 27.3±6.4
70~74歳 25.4±6.7
75~79歳 22.2±7.6
80~84歳 18.3±6.2
85~89歳 13.4±6.0

垂直跳びの測定はどこでできるか

 垂直跳びは測定器がある体育館、体育施設、スポーツセンターで測定可能です。また壁にタッチをする方法では、壁に基準点と最高到達点をマークすることで、場所を問わず自分で測定をすることができます。

 中高齢者の場合は測定時に転倒や障害のリスクがあるため、補助者がいることが推奨されます。垂直跳びは強度の高い運動になるため、準備運動・ウォーミングアップを十分に行ったうえで実施してください。

参考文献

  1. Misaka K, et al. An analysis of Physical Fitness and Sports Medicine. Japanese Journal of Physical Fitness and Sports Medicine. 38(5). 175-185.

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