第4回 これぞ私の健康的隠居生活
公開日:2025年1月17日 15時00分
更新日:2025年1月17日 15時00分
こちらの記事は下記より転載しました。
仲野 徹
隠居・大阪大学名誉教授
4回にわたる連載、今回が最終回です。運動、飲酒、ダイエットと順に紹介してきましたが、お前はどうやねんと聞きたい人がおられるやもしれませぬ。おられないかもしれませんが、そこは気にせず、私の典型的な日常を紹介させてください。
まずは早起きです。昔から目覚まし時計不要の朝型人間なのですが、加齢にともなってますます早くなり、このところは4時半から5時に目が覚めてしまいます。まず血圧を測って、瞑想かヨガを30分ほどおこないます。瞑想は始めて3年ほどになりますが、心がおだやかになって主観的にはとてもよろし。オンラインヨガは、毎朝5時台からやってくれますし、筋トレにもなるのでこれもまたよろし。
6時ちょうどに家を出て、約30分かけて近所(でもないけど)の公園まで歩き、みんなでラジオ体操。参加者の平均年齢は75歳くらい(推定)なので、67歳の私は若手です。ともすればゆるゆるになりがちな隠居生活なので、真冬でも欠かしません。帰りはちょっと遠回りして、計7キロ弱を1時間あまりと、そこそこの速度で約8千歩を歩きます。一日おきに公園でスクワットもします。
文字通りの晴耕雨読なので、家に戻って畑仕事を。おおよそ1時間から1時間半くらい。ただ土いじりをするだけでも幸せな気分になってきますし、いろいろな作物が育ってくれるのは精神衛生にとって最高です。こういった効果に興味のある方は、ぜひ『庭仕事の真髄』(築地書館)をお読みください。
そうこうしてるうちに8時半から9時になり、ようやく朝食です。プチ断食ダイエットのため夕食を終えてから14時間はあけたいので、ちょうどええ時刻になります。季節によりますが、できるだけ菜園でのとりたて野菜を食べることにしてます。あとはもう流れにまかせて生活し、夕食には500mlの缶ビールをといったところです。あ、短時間の昼寝もします。
どうです?むっちゃ健康的ですやろ。仕事を辞めたらストレスもなくなったし、心身ともに健康的すぎるかもしれません。特に長寿を目指しているというわけではないのですが、これで長生きできなかっても、運がなかったんやと諦めがつくというものです。
畑仕事は難しくとも、他のことは簡単にできることばかりですから、すこしでも参考になれば幸いです。ただ、簡単そうに見えますが、こういうライフスタイルは、仕事を持っている間はできそうにありません。言い換えれば、隠居ならではの生活です。
この連載をしっかり頭にいれて実行していただければ、長生きできるかどうかはわかりませんけど、長寿を目指すというところまではいけるでしょう。よう知らんけど。ほな、さいなら。
著者
- 仲野 徹(なかの とおる)
- 1957年大阪市生まれ。大阪大学名誉教授。大阪大学医学部卒業後、ドイツ留学、京都大学医学部講師、大阪大学微生物病研究所教授を経て、2004年大阪大学大学院医学系研究科病理学教授。2022年定年退職。現在、晴耕雨読+ときどき物書き生活の隠居。著書に『からだと病気のしくみ講義』(NHK出版)、『仲野教授のこの座右の銘が効きまっせ!』(ミシマ社)、『医学問答--西洋と東洋から考えるからだと病気と健康のこと』(共著、左右社)など多数。
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