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帯状疱疹の症状

公開日:2016年7月25日 14時00分
更新日:2020年2月21日 14時46分

帯状疱疹の主な症状

 帯状疱疹の主な症状は、次の3つです。

  • ツンツンと刺すような痛み
  • 神経の走行に沿った位置にできる発疹(皮疹)
  • 発疹(皮疹)からの水ぶくれ
図:帯状疱疹の症状「痛み」「赤い発疹」「水ぶくれ」を表すイメージ。

帯状疱疹の症状の経過

  1. 神経に沿って体の左右どちらか一方にチクチク、ピリピリする痛みが起こります。
  2. しばらくして、痛みが出た部分が赤くなります。
  3. 小さくて透明な水ぶくれが集まってでき、やがて濁って、時には黄色くなります。
  4. 2~3週間で黒褐色のかさぶたとなり、4~6週間くらいでかさぶたが取れて治っていきます。
  5. 痛みは皮膚の症状と一緒に消えていきます。稀に痛みが続くこともありますので、主治医に相談してください。

 最初は、神経の走行に沿って、ツンツンと刺すような痛みが出ます。中には、強い痛みを伴うこともあります。その後、紅い発疹(皮疹)ができ、さらに発疹(皮疹)の上に小さな水ぶくれ(水泡)が集まるようにできます。

 神経の痛みは、体の半身の神経に沿って、右巻きか左巻きにまるで帯を巻いたように広がります。体幹(胴体部分)だけでなく、顔(図の三叉神経領域)や四肢にできることもあります。

図:三叉神経の分岐と顔面上で支配している部分を示す図。三叉神経は耳の付け根から顔面にかけて、眼神経、上顎神経、下顎神経の3つに分岐している。そのため、眼神経については鼻先から上頭部にかけて支配し、上顎神経は頬の部分にかけて支配し、下顎神経は顔面側面および下顎の部分にかけて支配している。

図:三叉神経の分岐と、顔面上で支配している部分
画像:Copyright © Aleksei Fetisov/123RF 写真素材より一部改変

 帯状疱疹を発症すると、数日から1週間は、体の右側か左側、つまり半身の神経節の部分に、痛みやかゆみのような違和感が続きます。その後、赤い発疹(皮疹)が出ます。それはまるで虫に刺されたような痕です。

 ほぼ同じような時期に、発熱やリンパ節の腫れ、頭痛などが起こることもあります。やがて真ん中にくぼみのある水ぶくれが増えていきます。水ぶくれは最初、透明ですが、徐々に黄色い膿疱(のうほう 膿が溜まったみずぶくれ)になります。

 発疹(皮疹)が出来始めて6~8日後には、水ぶくれが破れて、ただれ(びらん)か、潰瘍になります。紅い発疹(皮疹)丘疹が発生してからの1週間は、新しい丘疹や水ぶくれが新生し、どんどん範囲が広がっていきます。

 その後およそ2週間で、かさぶたになり、3週間以降にはかさぶたが取れて治癒します。水ぶくれが大きく深い場合は、潰瘍になることもあり、色素沈着などの痕を残しますが、そのうち目立たなくなります。

 帯状疱疹が軽症ならば、2~3週間かかりますが、自然治癒することもあります。しかし高齢者が帯状疱疹にかかった場合、重症化することが多く、後遺症が残ったり、全身状態が悪くなることがあります。高齢者だけでなく免疫力の落ちている人も、重症化することが多く、いつまでも強い痛みが残ったり、深刻な皮膚潰瘍を患ってしまいます。後遺症を残さないためには、早く治療することが重要です。

高齢者は特に気を付けたい「帯状疱疹後神経痛」

 帯状疱疹が見た目上は落ち着き、3カ月以上が過ぎても、強い痛みがしつこく続くことがあります。この状態は、「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれます。帯状疱疹後神経痛は、水疱瘡のウイルスに感染した神経に起こる病気で、慢性的な痛みが、数ヶ月から数年単位で続きます。これは、帯状疱疹による神経の炎症が原因で、神経を傷つけてしまった結果、神経痛が残ってしまった状態です。

 帯状疱疹後神経痛は高齢者に多くみられ、痛みのほとんどは1~3カ月で消えてきます。しかし、帯状疱疹後神経痛の10~20%が、1年以上の痛みに悩まされれることがあります。中には10年以上、痛みが続く人もいるそうです。

 神経痛みによる苦痛が続くと、大きなストレスとなり、やがて不眠やうつを引き起こす原因になることがあります。もし、帯状疱疹による痛みが続く場合は、すぐにかかりつけ医に相談し、適切な治療を受けましょう。

帯状疱疹の合併症

 その他の合併症としては、ライムゼイ・ハント症候群があります。この病気は、帯状疱疹がきっかけで顔面の神経が侵され、耳の発疹と顔面の麻痺、めまい、味覚障害などを引き起こす病気です。

 帯状疱疹は、発症する部位によってさまざまな合併症を起こすことがあるため、顔面や陰部に痛みや発疹(皮疹)がある場合は、注意して医師に相談してください。

 また、写真1の多神経皮膚文節の帯状疱疹や、写真2の汎発性帯状疱疹の場合などは、入院治療が必要となることもあります。

写真1:入院治療が必要になるケース1 多神経皮膚文節の帯状疱疹
写真:公益社団法人日本皮膚科学会1)

写真2:入院治療が必要になるケース2 汎発性帯状疱疹
写真:公益社団法人日本皮膚科学会1)

帯状疱疹によく似た症状が出る病気

 帯状疱疹とよく似た症状の病気には、接触皮膚炎(かぶれ)や単純疱疹、水ぶくれができる病気である水疱性類天疱瘡(すいほうせいるいてんぽうそう)があります。

 これらの病気は、帯状疱疹と似てはいますが、原因が違いますので、治療法も違います。かかりつけ医と相談し、場合によっては皮膚科を受診することもありますが、早期にしっかりと治療しましょう。

写真引用元

  1. 公益社団法人日本皮膚科学会(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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