補聴器
公開日:2017年7月 5日 13時27分
更新日:2019年6月13日 11時15分
補聴器とは
補聴器とは、難聴によって生じるコミュニケーションの障害を補う医療機器です。そのため補聴器の適応は、難聴の程度のみでなく、日常生活において難聴のために不自由を感じているかどうかが決め手になります。
難聴の程度
難聴の程度を日常生活における不自由度を目安に表現すると、軽度の難聴では騒々しい場所や小さな声の会話のみ聞き取りにくい程度、中等度の難聴になると普通の音量の会話でも聞き間違いや聞き返しが出て、テレビの音を大きくするようになります。高度の難聴では、耳元で大きな声でなければわからない、あるいは大きな声でも内容が理解できないことが多くなります。
補聴器の適応
会話によるコミュニケーションの頻度や生活環境も補聴器の適応に影響します。
たとえば同じ年齢の場合でも、ほとんど家の中で過ごし対話の相手は家族に限定されている方、外出先や騒々しい場所での会話が頻繁な方、仕事上など会議や複数人数での会話が必要な方、などの生活環境によって、軽い難聴でも補聴器を必要とする方や、難聴が高度でも必要としない方があり、最も適した補聴器の種類も違うのです。
また、比較的どんな補聴器でも効果が出る難聴のタイプと、有効に活用できるようになるまでに訓練が必要な難聴のタイプがあります。
補聴器の種類
補聴器の種類として、形状の種類と、内部の音を加工する仕組みの種類があります。
補聴器の形状の種類
補聴器の形状の種類は、箱型、耳掛型、耳穴型などがあり、音加工の仕組みの種類としては、デジタル式、アナログ式があります。
形状による特徴ですが、箱型、耳掛型は本体が大きいため、スイッチやボリウムなどの操作部分が見やすく、大きな出力を出す事ができ高度難聴者にも合わせられます。一方、装用していることが目立ちやすいという欠点があります。
耳穴型は目立たないので好まれますが、小型であるために出力に限界があり高度難聴者には力不足であったり、スイッチやボリウムも小さくて指先の細かな操作が必要となります。
補聴器の音加工による仕組み
音加工の仕組みによる特徴としては、近年デジタル補聴器の開発がめざましく、新しい機能が搭載されるようになりました。
デジタル補聴器は、内部に小さなコンピュータが組み込まれているように働き、音質の高低を細かく増幅したり、環境雑音を抑制して話声を強調するなどの加工がなされています。ただしこれらの機能の中には、難聴者のタイプや生活環境によっては、十分に生かされないものもあり、使用する個人の状況に応じて吟味する必要があります。
補聴器は種類が多いだけでなく、一人一人の耳の状態に合わせて調節する工程も大切なのです。ですから使用する本人が不在でプレゼントとして購入された場合や、他人の使っていた補聴器を再調整せずに使った場合に満足のいく効果は得られません。