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磁気共鳴機能画像法(fMRI)

公開日:2016年7月25日 11時00分
更新日:2019年2月 1日 18時26分

磁気共鳴機能画像法とは

 磁気共鳴機能画像法(functional magnetic resonance imaging, fMRI)は、MRI装置を使って無害に脳活動を調べる方法です。

 この方法を使って、例えば言葉を使うとき、脳のどこが働いているのか調べることが可能です。たいていの人は脳の左半球に言語中枢がありますが、例外的に右半球に言語中枢をもっている人がいますので、脳外科の手術をする前に、どちらに言語中枢があるか調べておくことが大切です(リンク1参照)。

リンク1 「磁気共鳴機能画像法(fMRI)の仕組み」

言語中枢の検査法

 検査を受ける人は、MRI装置の中に仰向けに横たわって入り,脳で何か言葉の処理が行われるような行動をします。色々なやり方がありますが、例えば、朗読を聞いたり、絵を見てその名前を心の中で言ったり、しりとりゲームのように「あ」から始まる言葉を思い出したりします。そうすると脳の言語中枢が働きますので、そのときの脳の映像をすばやく撮影できる特別な方法を使って、何枚も画像を撮影します。

 これは、数秒間で脳全体にわたる数十枚もの画像を撮影してしまう方法で、続けてどんどん撮影します。このようにして数分間、撮影を続けます。

 こうして撮影された脳の画像データを集めて、コンピューターを使って解析計算し、言葉の処理を行ったときの脳の映像と、何もしなかったときの映像とを比べると、言語中枢がどこに存在するのか?、その所在を画像によって示すことができます。

 図にはある人が朗読を聞いているときに脳のどこが活動したかが示されています。検査結果から、この人の言語中枢のひとつ(言葉の理解に重要な部位)が左半球にあることがわかります。

図:朗読の聞き取りによって活動した脳部位を示す脳の画像。左半球の画像において、言葉の理解に重要な部位である言語中枢の一つが赤く表示されていることから、この部分の活動が活発であることを表している。

図:朗読の聞き取りによって活動した脳部位を示す脳の画像

運動中枢や記憶中枢も検査可能

 同様の方法によって、運動の中枢や記憶の中枢などを調べることができます。このfMRIという検査方法の原理は、日本人物理学者の小川誠二博士がアメリカにいたときに確立し、現在では世界中に広まっています。

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