緑茶の効能と美味しい入れ方
公開日:2016年7月25日 06時00分
更新日:2024年9月 5日 13時57分
緑茶とは
緑茶は茶葉を発酵せず、蒸して熱処理することで酸化酵素の働きを抑えたものです。玉露、煎茶、番茶などがあります。
緑茶の種類
玉露
新芽が2~3枚開き始めたら、日の光をさえぎって育てたお茶です。渋みがなく、旨味が豊富な味わいです。
煎茶
緑茶の中で一番飲まれるお茶です。
番茶
一番茶はその年の新芽を摘み取ったお茶です。二番茶、三番茶は摘み取った順に呼びます。
抹茶
抹茶の原料となるてん茶を石うすで挽いたものです。
ほうじ茶
煎茶や番茶を強火で炒って、香ばしさを引き出したお茶です。
緑茶の成分
タンニン
ポリフェノールの一種で、緑茶に含まれるタンニンはカテキン類に分類されます。緑茶の渋みでもあり、また後味に温和な甘味もあります。空気中に放置すると褐色になります。
カフェイン(アルカロイド)
温水に良く溶け、苦味があります。神経興奮、強心、利尿作用もあります。とくに若葉に多く、抹茶4.6%、玉露3.0%、煎茶2.8%、番茶2.0%含まれています。
テアニン
アミノ酸類の一種で日本茶の旨味成分です。高級なお茶ほど多く含まれています。抹茶には番茶の12倍のテアニンが含まれています。
ビタミン
β-カロテンやビタミンB1、ビタミンB2、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンCを含んでいます。
特にビタミンCの含有量が多いのが特徴です。緑茶100g中に、玉露19mg、煎茶6mg、釜炒り茶4mg、番茶3mgのビタミンCを含んでいます1)。
なお、紅茶にはビタミンCは含まれていません1)。また、レモン1個(120g)にはおおよそ20mgのビタミンCが含まれています2)。
ミネラル
茶葉にカリウムが多く、浸出液では玉露に多く含まれています。
緑茶の効能3)4)
血中コレステロールの低下
緑茶に含まれるカテキンにコレステロールの吸収を抑える働きがあります。
体脂肪低下
カテキンに脂肪の吸収を抑える働きにより、腹部の脂肪も減ります。
抗酸化作用
ポリフェノールの一種であるカテキンには活性酸素を除去する、抗酸化作用があります。動脈硬化など心筋梗塞や脳梗塞の予防に期待できます。体内で発生する活性酸素の除去する働き(抗酸化作用)があります。
また、緑茶に含まれるβ-カロテンはプロビタミンAとよばれ、体内のビタミンAの必要量に応じてβ-カロテンがビタミンAに変わります。
また、ビタミンCは皮膚や粘膜の保護、健康維持に働きます。特にコラーゲンの形成にはビタミンCは欠かせません。ビタミンCは抗酸化作用もあり、活性酸素の除去に役立ちます。美肌効果もあります。
疲労感・眠気対策(カフェイン)
カフェインには覚せい作用があるので、疲労感や眠気対策になります。その他、利尿作用、二日酔い防止作用があります。
リラックス作用(テアニン)5)
脳の神経細胞を保護や緊張を緩和するのでリラックス作用があります。テアニンを摂取すると筋肉がゆるみ、血管が拡張するので血行が良くなります。リラックス作用により集中力も上がります。
脳細胞の活性化(γ-アミノ酸(ギャバ))
ギャバ(GABA)は脳内に存在し、体内ではグルタミン酸からも作られます。神経伝達物質の一種で、脳への酸素供給量を増やし、脳細胞を活性化するほか、精神を安定させる働きもあります。
緑茶のおいしい入れ方6)7)
緑茶の種類別の入れ方
緑茶の入れ方は、緑茶の種類によって浸出成分が異なるので、入れ方が変わります(表)。
茶種 | 分量(1人分) | 湯の量 | 湯の温度 | 浸出時間 |
---|---|---|---|---|
番茶・ほうじ茶 | 2g | 100ml | 100℃ | 30秒 |
煎茶 | 2~3g | 80ml | 80℃ | 約1分 |
玉露 | 2g | 50ml | 50~60℃ | 2~3分 |
番茶・ほうじ茶
番茶やほうじ茶は、急須にお湯を入れてから30秒くらい浸出させます。急須はゆすらずに、茶葉の「より」がほどけるのを、ゆったり待ちましょう。濃さが平均するように次ぎ分け、急須の中に茶液を残さないようにします。二煎目は1分くらい浸出します。
煎茶
煎茶は数人分の時は、一煎目は濃さが平均するように次ぎ分け、急須の中に茶液を残さないようにします。二煎目、三煎目を入れるときは、茶葉が既に開いているのでお湯の温度を高くし、蒸らし時間を短めにします。
玉露
玉露は急須と茶わんの両方を温めておき、一煎目は最後の一滴まで残さず注ぎます。二煎目は一煎目よりもお湯の温度を高めににし、急須に入れてから30秒ほど浸出させ茶わんに注ぎます。三煎目はさらに高い温度のお湯で15秒位で出します。
緑茶に使う水は軟水を使用する
緑茶は水質によって美味しさが変わります。美味しいお茶を入れるときはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを含まない軟水を使用することです。硬水で入れると、風味が悪くなり、緑茶のおいしさが損なわれます。煎茶では軟水の硬度が50~100のお水が最適です。
参考文献
- 「緑茶と健康のメカニズム」を作成しました 静岡県
- 調理と理論 東京同文書院