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気功法(八段錦)の健康効果とは

公開日:2016年7月25日 16時00分
更新日:2024年8月29日 14時16分

気功とは

 気功は中国で4000年も前から行われている健康法です。気功の「気」は元気、病気、気持ち、気分の気です。英語で「Qi(またはChi)」と書き、「チー」と発音(中国語の気の発音と同じ)します。気の本態は解明されていませんが、生命エネルギー、宇宙エネルギーとみなされ、1から20ヘルツの低周波の波動の性格を持っています。

 気功は体内の気を巡らせ、宇宙、大地、樹木など外部の気も取り入れます。約2000年前に書かれた中国最古の医学書「黄帝内経」には、気が病気と深いかかわりがあり、気功は病気の予防、治療、寿命を伸ばす効果があるとされています。

 気功は保健医療気功としての「軟気功」と、武術気功としての「硬気功」に大別されます。軟気功は自分で気を養う「内気功」と自分で養った気を他人に与える「外気功」に分けられます。

 気功法の種類は非常に多く、現在中国では2,000を超える流派があるといわれています。これらの中には体操のように身体を動かす「動功」と、座禅やヨガのようにあまり動かない「静功」があります。

気功法(八段錦)とは

 気功には多くの種類や方法がありますが、「八段錦(はちだんきん)」が簡単で大きな効果が得られるといわれています。八段錦は日本では太極拳と合わせて行われることが多く、なじみ深い気功法です。八段錦は「八つの部分からなる錦のように編まれたもの」という意味で、今から800年以上前の宋の時代につくられた古典的な気功です。なお、錦(きん)とは、厚手絹織物の総称のことです。

 八段錦の中にも多数の流儀がありますが、ここでは天津中医学院の周稔豊(Zhou Renfeng)教授の方法を紹介します。これら八段錦の一連の動作と呼吸法は、準備運動としての役割もあります。一つの動きにつき一呼吸しながら行っていきます。それぞれ三回ずつ行います。

第一段錦

 両手で天を支えて三焦(呼吸、消化、排泄の内臓)を整える。

 全身を動かしながら内臓全体のバランスをとることを目的とします。

第二段錦

 馬歩(腰を落とし、両足を左右に広げた騎馬位で立つ)で、大鷲を射るように左右に弓を引く。

 肺の動きを活発にさせ、新陳代謝を促進することを目的とします。

第三段錦

 交互に片手を上げて脾と胃を整える。

 胃腸の働きを盛んにし、消化吸収を促進することを目的とします。

第四段錦

 交互に後ろを振り向いて心身の疲労を癒す。

 首を通るたくさんの経路から気を通していくようなイメージで行います。

第五段錦

 二段錦と同じように馬歩で、尾を振って頭で大きく円を描くように揺らし、心火(イライラ、ストレス)を消す。

 血液循環を整えることを目的とします。

第六段錦

 両手で足を撫で上げて腎と腰を強くする。

 腎臓の働きを盛んにすることを目的とします。

第七段錦

 馬歩で左右交互に拳を突き出して目を開き、気力を増強する。

 全身を使い、組織・細胞に活力を与えることを目的とします。

第八段錦

 直立して背中を七回伸ばして、あらゆる病気を治す。

 全身の気を下に落としていくことを目的とします。

気功法(八段錦)の健康効果

 気功は調心(リラックスした状態での精神集中)、調息(呼吸を整える)、調身(姿勢を整える)の3つの要素で構成されています。八段錦は、動作自体は単純ですが、毎日三回行えば血流や循環が良くなるといわれています。リラックスのため、一日一回落ち着く時間を設けるため、ストレッチのため、と目的はそれぞれですが、習慣的に行うことで心地よさを味わえるかもしれません。健康管理の一つとして試してみてください。

気功法(八段錦)はどこでできるか

 日本では、NPO法人日本健康太極拳協会などが気功法(八段錦)を取り入れた太極拳の普及に努めています。最近では太極拳の中に気功法を取り入れたプログラムもあります。ただし、太極拳も気功法も流派や種類が多数存在するため、八段錦を基礎から学びたい場合は上記協会に問い合わせたり、八段錦の専門書を手に取ってみると良いかもしれません。日本健康太極拳協会は全国に30以上の支部がありますので、お住まいの地域にあるかどうか調べてみるとよいでしょう(リンク1)。

リンク1:NPO法人日本健康太極拳協会(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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