健康長寿ネット

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Society 5.0(ソサエティ 5.0)について

公開日:2019年8月 9日 09時40分
更新日:2021年2月24日 10時39分

 私たちが住む社会は現在、大きな変革のときを迎えようとしています。人々がより快適で安全な暮らしができるようになると考えられているのが、「Society 5.0(ソサエティ5.0)という新しい社会です。

Society 5.0(ソサエティ5.0)とは何か1)

 Societyという言葉にはそもそも「社会」や「共同体」という意味があります。ではその後ろに続く「5.0」とは何でしょうか。これは、私たちの地球の長い歴史と関係があります。

 人類の社会は、人類誕生の頃に形成された「Society 1.0=狩猟社会」、その後に発展した「Society 2.0=農耕社会」、そして17~18世紀ごろにヨーロッパを中心として起こった産業革命後に形成された「Society 3.0=工業社会」、20世紀後半ごろに起こった第3次産業革命とともに生まれた「Society 4.0=情報社会」がありました。そして現在、世界中でデジタル革新などを中心とした第4次産業革命が起ころうとしています。その後に形成されるであろう新しい社会のことを、Society 5.0(ソサエティ5.0)と呼んでいます。

 Society 5.0(ソサエティ5.0)には「超スマート社会」という名称が付いています。今現在、私たちの世界はまさに「第4次産業革命」の真っただ中にあり、この産業革命後に訪れるであろう未来には、今よりももっとスマートな社会が待っている、ということです。

 スマートな社会とは、ネットワークの高度化やビックデータ解析技術およびAI(人工知能)の発展により生み出されるサイバー空間と現実空間が高度に融合し、必要なもの・サービスを必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な制約を乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会のことです。

 私たち人類の先祖は、その時々で新しい道具や手法をつくり出し、それまでの人々が持っていた能力を拡大してきました。その結果として、新しい社会をつくり出してきたのです。

 第4次産業革命は、第3次産業革命で作り上げたコンピューターやインターネットによる情報化、それらを使った業務の自動化を経て、次のステップとしての「デジタル革新」が起こっています。現代の中高年が子供の頃に夢中になった未来の世界、IOTやAIなどの技術が、現実のものになろうとしています。

Society 5.0(ソサエティ5.0)が私たちの生活にもたらすもの1)2)

 現在起こっている第4次産業革命がいつまで続くのか、新しい社会であるSociety 5.0(ソサエティ5.0)がいつから始まるのか、それはまだ分かりません。しかし、日本では近い将来に訪れるであろうSociety 5.0(ソサエティ5.0)の社会では、どのような生活が待っているのか、さまざまな予測を立てています。そのうちの一部をご紹介します。

空飛ぶマシーンの活躍

写真1:空飛ぶドローンが荷物を運んでいるイラスト

 数年前から一般にもその愛好者が広がりつつある「ドローン」が、近い将来は趣味の枠を超えて、「人の代わりに働くマシーン」として描かれています。例えば、ある時は山間部の地域へ荷物を運ぶ運搬役として。またある時は人がなかなか入っていけない場所での測量役として。またある時は震災後の被災地に入り、生存者の探索や生存者の位置確認なども可能になるかもしれません。

考える家電が生活を快適にする

写真2:家電同士がインターネットで連携しているイラスト

 さまざまな分野で研究開発や販売が進むAI。これが家電に搭載されると、家電同士が連携し、人々の生活をより快適にしてくれます。例えば、冷蔵庫にAIが搭載されると、冷蔵庫にある食材で出来るレシピを提案してくれます。食材のムダや買い忘れを無くし、快適な食生活につなげることができます。

 さらに進化すれば、「あなたの健康を維持するための食材」を、冷蔵庫が教えてくれるかもしれません。

労働人口の減少を救う働くロボットの活躍

写真3:ロボットがトマトを収穫している写真

 日本は現在、少子高齢化が進んでいます。近い将来は、労働人口がますます減少し、私たちが生きるために必要な農作物の作り手がいなくなるかもしれません。

 しかし、人と同じように動き、農作物をつくり出すロボットの登場が期待されています。例えば無人で動くトラクターロボットや、温度や天候などを考慮した栽培管理を行うロボットが登場すれば、人の手は最小限でも、今まで以上の農作物が収穫できるかもしれません。

無人の車が人や荷物を運ぶ

写真4:無人の自動運転自動車のイラスト

 例えば、路線バスは毎日、同じコースを規則正しく運行します。バスの運行そのものが自動化されれば、少ない乗務員数でも一定の路線バスを運行させることができるため、これまで路線バスが運行していなかった地域にも、路線が拡大するかもしれません。

 また、交通状況を事前に察知し、事故や工事の渋滞を回避するようなコースを自動的に選択し、安全で規則正しい運行が可能になります。

いつでも見守られている安心感

 少子高齢化の進行とともに問題となるのが、医療者や介護者の人手不足。新しい技術を上手に利用できれば、医療・介護の問題も解決できることが増えてきます。例えば、2018年からスタートした遠隔診療は、現在のところはいろいろな制約があったり、高齢者が利用しにくい部分もありますが、これが一般的になれば、家にいながらにして医師の診察を受けることができます。

 また、在宅療養中の状態をさまざまなセンサーで感知し、医療者・介護者へ届けることができれば、負担が軽減できますし、急変にいち早く気づくことができるかもしれません。患者さんにとっても、安心・安全な療養が期待できます。

 第4次産業革命は、現在も進んでいます。これまでの技術、さらに新しい技術が生まれていますが、これらをどう組み合わせると新しい社会につなげていくことができるのか、さまざまな取り組みに大きな期待が寄せられています。

参考文献

  1. 一般社団法人 日本経済団体連合会 Society 5.0(ソサエティ5.0) -ともに創造する未来-(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 内閣府 科学技術政策 Society 5.0(ソサエティ5.0)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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