通所リハビリテーション(デイケア)とは
公開日:2019年2月12日 14時25分
更新日:2019年10月23日 09時00分
通所リハビリテーション(デイケア)とは1)2)
通所リハビリテーション(デイケア)とは、要介護者が介護老人保健施設、病院、診療所等に併設された施設、介護医療院に通い、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の専門スタッフによる「機能の維持回復訓練」や「日常生活動作訓練」が受けられるサービスです。リハビリテーションがメインの通所系サービスで、主治医の指示によって受けることとなっています。
利用者の状態に応じて、個別もしくは集団での訓練になります。なお、要支援状態の方については、介護予防通所リハビリテーションを利用することができます。
通所リハビリテーション(デイケア)はどのような場合に利用すればよいのか
高齢に伴う機能の低下に対して、リハビリテーションを行って、機能を回復したいという思いは多くの人が願うことです。しかし、介護者がリハビリテーションに対して過剰な期待を抱くことは、要介護者本人にとっては、負担になることもあります。本人の意欲や、主治医から現在の病状と今後の回復の見通し等をしっかりと確認して利用していくことが重要です。
リハビリテーションが必要とされるのは、病気で寝込んだあとの回復期や、骨折の後に何らかの原因で機能低下がみられる場合などです。
また、通所リハビリテーション(デイケア)の内容は、施設によって異なります。例えば、入浴設備がない場合や、リハビリテーションに使用する器具等の設備や、時間の使い方が異なる場合があります。
利用者自身の心身の状態に適した施設を選択するために、それぞれの施設の特徴をケアマネジャーに問い合わせしたり、実際に利用予定施設を見学したりして決めるとよいでしょう。
通所リハビリテーション(デイケア)の対象者
通所リハビリテーション(デイケア)は要介護の認定を受けた方が対象となります。
要支援の方については、介護予防通所リハビリテーションを利用することができます。
通所リハビリテーション(デイケア)の1日当たりの自己負担額(1割の場合)の目安(通常規模型の場合)3)4)5)
通所リハビリテーション(デイケア)の通常規模型の施設を利用する場合の1割負担時の利用料の目安は表1の通りです。
なお、通常規模型とは前年度の1カ月当たりの平均利用人数が750人以内の事業所のことを指します。
また、利用負担は原則1割ですが、一定以上の所得のある者の場合は2割又は3割負担となります。
要介護区分 | 1時間以上2時間未満 | 2時間以上3時間未満 | 3時間以上4時間未満 | 4時間以上5時間未満 | 5時間以上6時間未満 | 6時間以上7時間未満 | 7時間以上8時間未満 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
要介護1 | 331円 | 345円 | 446円 | 511円 | 579円 | 670円 | 716円 |
要介護2 | 360円 | 400円 | 523円 | 598円 | 692円 | 801円 | 853円 |
要介護3 | 390円 | 457円 | 599円 | 684円 | 803円 | 929円 | 993円 |
要介護4 | 419円 | 513円 | 697円 | 795円 | 935円 | 1,081円 | 1,157円 |
要介護5 | 450円 | 569円 | 793円 | 905円 | 1,065円 | 1,231円 | 1,317円 |
- 8時間以上の場合には1時間ごとに50円高くなります。最大13時間以上14時間未満
- 送迎を行わない場合には自己負担額から片道47円安くなります。
- 大規模型※通所リハビリテーションでは、自己負担が少し安くなります。
- 地域によって自己負担が異なることがあります。
- 介護福祉士の専門性を評価し、勤続年数にも着目したサービス提供体制加算が加わることがあります。
- 理学療法士などを手厚く配置している事業所では、自己負担額が増えることがあります。
- 事業所によって介護職員処遇改善加算(現行加算)、介護職員等特定処遇改善加算(特定加算)が加わります。なお、介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算は支給限度額の対象外です。
- ※大規模型:
- 大規模型には、利用者が1ヶ月あたり900人以内である事業所(大規模事業所Ⅰ)と、1ヶ月あたり900人を超える事業所(大規模事業所Ⅱ)があります。
通所リハビリテーション(デイケア)の事業所の職員体制1)2)
通所リハビリテーション(デイケア)を行う事業所には、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師(准看護師)、介護職員が在籍しています。
参考文献
- 牛越博文監修:図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本. 講談社, 東京都, 2018年, P90