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腰部脊柱管狭窄症の治療

公開日:2016年7月25日 11時00分
更新日:2019年2月 7日 18時37分

 腰部脊柱管狭窄症の治療は、手術によらない保存療法と、手術療法にわかれます。

保存療法

 薬物療法、理学療法、運動療法、神経ブロックなどがあります。

薬物療法

経口プロスタグランジンE

 狭窄を受けている神経の血行を良くする飲み薬です。間欠跛行や下肢のしびれを改善する効果が証明されています。

消炎鎮痛薬

 痛みをとる効果があります。内服薬、外用薬、貼付薬などの種類があります。

ビタミンB12

 末梢神経の障害を改善する薬です。

筋弛緩薬

 痛みが続くと、筋肉が反射的に収縮して凝った状態となり、新たな痛みの原因となります。筋弛緩薬にはこのような筋肉の緊張を和らげる作用があります。

理学療法、運動療法

 腰椎の牽引や、温熱治療、マッサージなどの物理療法、および歩行やストレッチ運動、マッサージなどの運動療法を行う場合もあります。これらを組み合わせて行うことで、腰臀部痛や下肢痛を改善する効果が報告されています。しかし、しびれや間欠跛行に対する効果は明らかではありません。

神経ブロック注射

 圧迫され、症状の原因となっている神経の根元の部分に、局所麻酔薬やステロイド薬を注射する治療です。レントゲンの機械で観察しながら骨から神経が出てくるところに注射する方法や、臀部の近くから脊柱管内へ薬剤を投与する方法があります。

 1回の注射でも、神経症状が一時的に改善する効果があります。注射を繰り返し行うことで、長期的に症状の改善が得られたという報告もあります。

手術療法

 薬物療法が無効な場合には手術療法が検討されます。

 手術では、脊柱管周囲の骨や靭帯を削り、狭くなった脊柱管を広げます。 いくつもの箇所で神経が圧迫されている患者さんでは、手術の範囲が広がることもあります。また、状態によっては、背骨に金属を入れて背骨の配置を整え、固定することもあります。

 ただし、手術によって完全に症状を取り去れるとは限りません。とくに、神経への強い狭窄が長期間続き、安静時にも足のしびれがある患者では、手術後も症状が残存しやすい傾向があります。手術後、年齢をかさねると、症状が再発する可能性もあります。

 加えて、腰部脊柱管狭窄症は患者さんの精神面にも影響を与えることがわかっており、術前にうつ症状がある患者さんでは、手術後の満足度が低いことがわかっています。

 医師と良く相談して手術を行うことが大切です。

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