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緑内障の原因

公開日:2016年7月25日 13時00分
更新日:2022年4月14日 13時31分

緑内障の原因

 緑内障の主な原因は、眼圧が異常に高くなることで、一番繊細な部分の視神経が傷つくことです。視神経が傷つくと、脳に伝達される視覚神経刺激の機能が低下し、視野が狭くなったり、視力が低下するなどの症状が現れます。

 眼圧とは、目の内側で目の形状を維持している圧力のことで、眼圧の高さは目の硬さを表します。

眼圧が高くなる仕組み

 緑内障で眼圧が上昇する主な原因は、目の中で血液のような役割をしている「房水」がうまく排出されなくなることです。

 房水は私たちの目の中にある毛様体で作られます。そして、房水は図に示すように虹彩の後ろを通って、前房をめぐり、線維柱帯を通過し、シュレム管から排出され、目の外のへ排出されるような経路で循環しています。目の圧力がほぼ一定で眼球の形状が保たれるのは、房水の循環のおかげです。

 緑内障は、隅角が目詰まりするなどして、房水をスムーズに排出できなくなった結果、眼圧が上昇して、視神経を傷つけることで視野が狭くなったり、視力が低下します。

図:房水の循環を示す図

図:房水の循環
画像:日本眼科学会1)

緑内障のタイプ

 緑内障には、房水の出口が時間をかけてゆっくりと目詰まりしていく慢性タイプと、短時間の間に房水の出口が塞がることで眼圧が急上昇するタイプがあります。

 慢性タイプは10~20年という長い時間をかけて病気が進行するため初期には自覚症状がほとんどありません。

 急性タイプは、急激な視力低下とともに目の痛みや吐き気など激しい症状も現れます。このタイプは、発生直後の状態では、脳や消化器の病気を疑われることもあります。

  • 慢性タイプ:10~20年かけてゆっくり緑内障が進行していく
  • 急性タイプ:眼痛や吐き気など激しい苦痛を伴って、短時間で緑内障が進行する

緑内障の原因

 緑内障を発症させてしまう原因としては、生まれつきの目の構造によるものがあり、大きく2つに分けて考えられます。

 1つは、生まれつき眼圧が高い「先天性緑内障」です。そしてもう1つが子どものころは無自覚で青年期になってから自覚症状が出る「発達性緑内障」です。

 その他の原因としては、目のけがや病気によって発症する「続発性緑内障」があります。何かのはずみで目をぶつけてしまった際に、隅角に傷ができて房水の流れを止めてしまい、眼圧を高くすることがあります。

 例えば、糖尿病網膜症や白内障などです。また、全身的な疾患の治療に必要なステロイド薬の副作用が原因で、緑内障を発症させてしまう場合もあります。

原因による緑内障の分類

  • 先天性緑内障
  • 発達性緑内障
  • 続発性緑内障

 また、直接的な原因がはっきりしない緑内障もあります。特に明らかな原因が無いにもかかわらず、緑内障を発症してしまうのです。このような緑内障のことを、原発性緑内障といいます。

 原発性緑内障には、症状が徐々に進行する慢性型と、激しい痛みとともに視力が低下する急性型、眼圧が正常範囲の数値にもかかわらず緑内障を発症する正常眼圧型に分類されます。

原発性緑内障の分類

  • 慢性型
  • 急性型
  • 正常眼圧型

緑内障と加齢

 緑内障の有病率は、年齢とともに増加します。とくに慢性型緑内障は、10~20年の時間をかけてゆっくり進行していきます。40歳代以降で発症する割合が高くなりますが、超高齢化社会に突入する日本では、これからも緑内障の患者さんは増えていくでしょう。しかし、緑内障の治療はめざましい進歩を遂げていますので、かつての緑内障=失明というイメージはなくなりつつあります。

 一方で、現在の医学では解明できておらず、よい治療方法がないものもあります。緑内障は早期発見、早期治療が大切な病気です。40歳を過ぎたら、年に1度は眼科を受診して定期検査を受けましょう。

画像引用元

1)日本眼科学会(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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