健康長寿ネット

健康長寿ネットは高齢期を前向きに生活するための情報を提供し、健康長寿社会の発展を目的に作られた公益財団法人長寿科学振興財団が運営しているウェブサイトです。

関節リウマチとは

公開日:2016年7月25日 15時00分
更新日:2019年6月20日 11時01分

関節リウマチとは

 全身の骨や筋肉に炎症がおこり、痛みやこわばりなどの症状をきたす病気を総称し、リウマチ性疾患と呼びます。症状が長期間におよぶ、疾患の根本に免疫異常が関与する、などの特徴があり、その種類は200種類以上あるともいわれます。

 これらのうち、症状が全身の関節を中心にあらわれ、関節の「こわばり」「腫れ」「痛み」などを呈する疾患を、関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis: RA)と呼びます。症状は手足に、左右対称的に出やすい、という特徴があります。

関節リウマチの疫学

 30歳以上の人口の約0.5%から1%がこの病気にかかっているといわれ、日本には約70万人から100万人ほどの患者さんがいると推定されます。女性のほうが男性よりも3~4倍ほど多いといわれます。

 発症時の年齢は30〜50歳代の方が最も多く、10歳代(若年性関節リウマチ)や60歳以上(高齢発症関節リウマチ)で発症することもあります。

関節リウマチの経過

 患者さんの約70%は軽症まま経過します。残りの30%の患者さんは長年にわたって徐々に進行して、全身の関節が破壊されていくケースと、急速に進行して多くの関節が破壊されるケースがあります。近年では、早期に発見し、治療を開始することで、進行を最小限に抑えられることがわかってきました。

関節リウマチの本態

 関節リウマチでは、免疫機構の異常により、全身の関節の滑膜(かつまく)※1という組織に炎症が起こると考えられています。これにより、関節の痛み・腫れなどの症状がおこります。また腫れあがった滑膜が増殖することで、骨・軟骨・腱などの関節周囲の組織が破壊され、徐々に関節の変形をきたします。

※1 滑膜
 滑膜とは、関節の袋(関節包:かんせつほう)の内側を裏打ちしている薄い膜のことです。関節液という、関節の滑りを良くする潤滑材が分泌し、関節の動きを滑らかに保つはたらきを持ちます。

関節リウマチの類似疾患

 関節リウマチと似た病気として、「変形性関節症」が有名です。これは、加齢や外傷の影響により、関節が徐々に変形して起こるものです。変形性関節症の症状は、下記のような点で関節リウマチと異なります。

  • 関節の腫れが弱い
  • 安静時には痛みなどの症状が軽い
  • 症状が左右対称的ではない

 その他、ウイルス感染に伴う関節炎、全身性結合組織病、痛風など、鑑別が必要な疾患は多数あります。

公的援助

介護保険

 関節リウマチは、介護保険法の「特定疾病」に指定されています。そのため、通常の介護保険は65歳以上で適応されますが、関節リウマチの患者さんが要介護と認定された場合は40歳以上から介護保険サービスを受けられます。

悪性関節リウマチ

 関節リウマチのうち、血管炎などの関節以外の症状を合併し、指定の診断基準を満たした場合は「悪性関節リウマチ(リウマトイド血管炎)」と診断されます。

 悪性関節リウマチは「厚生労働省特定疾患」として指定されており、都道府県の指定した医療機関でうけた医療費、および一部の介護サービスが助成されます。

無料メールマガジン配信について

 健康長寿ネットの更新情報や、長寿科学研究成果ニュース、財団からのメッセージなど日々に役立つ健康情報をメールでお届けいたします。

 メールマガジンの配信をご希望の方は登録ページをご覧ください。

無料メールマガジン配信登録

寄附について

 当財団は、「長生きを喜べる長寿社会実現」のため、調査研究の実施・研究の助長奨励・研究成果の普及を行っており、これらの活動は皆様からのご寄附により成り立っています。

 温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

ご寄附のお願い(新しいウインドウが開きます)

このページについてご意見をお聞かせください(今後の参考にさせていただきます。)