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閉塞性動脈硬化症

公開日:2016年7月25日 15時00分
更新日:2019年6月12日 10時06分

閉塞性動脈硬化症とは

 閉塞性動脈硬化症とは、足の動脈が硬くなってしまうことで血流が悪くなり、足に様々な症状を引き起こす病気です。

 症状が進行すると歩行にも障害が出るだけでなく、足先の壊死により切断せざるを得ない状態となることもあるため、早期発見・早期治療が重要となります。

動脈硬化とは

 動脈は、心臓から各所にあるさまざまな臓器や手足に血液を送るため、常に一定の圧力がかけられています。この圧力に耐えるため、そして血液を体の末端にまでスムーズにいきわたらせるために、動脈はゴムホースのようにしなやかな弾力性があります。

 しかし、血管の内部にコレステロールの塊がたまってしまったり、血圧が高く常に一定以上の圧力を血管にかけている時、血管は徐々に本来の弾力性を失っていき、十分に血液が送れなくなってしまいます。これが「動脈硬化」と呼ばれる状態です。

 動脈硬化が進行すると、十分な血液が送れないどころか、血管そのものが詰まってしまい、そこから先に全く血液が送れなくなってしまいます。その代表例が、脳梗塞や心筋梗塞といった病気となります。これらは最悪生命にも影響を及ぼす、重篤な病気となります。

動脈硬化の始まりは0歳から

 「動脈硬化」という言葉を聞くと、「生活習慣に気を付けていない人がなるもの」とお考えになっている方もいらっしゃいます。

 しかし、実は動脈硬化は人間が生きていく上で、程度の差はありますが全員の血管が少しずつ「動脈硬化」を起こしています。

 動脈硬化が進み始めるのは、人が生まれた0歳の時からすでに始まっており、10歳前後から急速に進行します。

 そのため、高血圧や糖尿病といった生活習慣病にかかっていない方は動脈硬化が起こらない、とは言えず、初期症状が出ていないかどうかはどなたでも確認しておく必要があります。

動脈硬化の危険因子

 動脈硬化は老化によって誰にでもある程度は進行するものですが、その進行度を急激に進めてしまう危険因子も多数存在します。

1.脂質異常症(高脂血症)

 脂質異常症は、心臓を動かすための血管である冠動脈や首から脳にかけて伸びている頸動脈などに動脈硬化を進行させやすくなります。

 血液中の脂肪のうち、総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)は高値の場合に、一方でHDLコレステロールは低値の場合に動脈硬化を促進します。

2.高血圧

 血圧が高いほど、脳梗塞や心臓病などにかかるリスクは高くなります。上の血圧といわれる収縮期血圧と、下の血圧と言われる拡張期血圧も、同じように動脈硬化に影響を及ぼします。そのため、「上が高いだけだから大丈夫」とはいえません。

3.喫煙

 喫煙は、がん、肺や消化器などの病気だけでなく、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などといった動脈硬化性疾患の発症を促す強力な因子です。喫煙は血を固まらせやすくしたり、血管を強い力で収縮させようとするなどの影響があります。

4.糖尿病

 糖尿病は、高血圧など、他の生活習慣病なども合併していることが多く、より動脈硬化を進ませてしまう恐れがあります。

 他にも、ストレスや肥満なども動脈硬化の危険因子とされています。動脈硬化を過度に進行させないために、これらに十分注意する必要があります。

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