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筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは

公開日:2016年7月25日 15時00分
更新日:2024年2月 8日 09時51分

 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)とは、脳にある運動機能に関係する神経細胞(運動ニューロン)に障害が出ます。障害によって脳の指令が筋肉に伝わらなくなって手や足、そして、口などを動かす筋肉が衰えてきます。そして、手や足などが動かなくなってくる病気です。筋肉は病気ではありません。

 比較的、視力や聴力や体の感覚は保たれます。そして排尿障害といったものがないのが特徴です。

 体を動かす機能は低下して動かなくなるのですが、意識などは正常ですので、症状が進む前に自分の意思を示す手段を習得するといったことが必要となってきます。

筋萎縮性側索硬化症はどんな人が発症しやすいか

 発症率は人口10万人当たり1,1~2,5人です。そして、男女比では、男性:女性の割合は3:2とやや男性が多い傾向にあります。年齢的には50歳以上で60代、70代が多く80代以降は少ない傾向にあります。喫煙者に発症に多いといったことがありますが、正式には不明です。現在のところ、詳しい発症の原因は不明です。

 現在、筋萎縮性側索硬化症は難病指定の1つとされています。平成25年度の特定疾患医療者数として約9,200人となっています。

筋萎縮性側索硬化症の症状

 現在、発症の原因については不明で、治療についても完治することがありません。また症状は進行していきます。進行は早く、発症から2~5年で死亡するといったものがありますが、正確なデータが少なく症状の進行は個人差があります。

 始めはなんとなく動きにくいことなどといった軽い症状ですが、神経の伝達がうまく出来ないことが原因となって筋肉がやせて行ききます。そして体の運動機能が低下していきます。運動機能以外にも嚥下障害や呼吸障害も発生していきます。最終的には自力で食べることや呼吸することができなくなります。

筋萎縮性側索硬化症の治療法

 現在、様々のことについて研究中の病気の1つです。現在のところ進行を遅らせる薬の開発などが進められています。これらを利用することで進行を遅らせることになりますが、完治することはありません。直接原因となっているものに対する治療方法としてはありません。

 痛みなどの為の痛み止めや嚥下障害や呼吸障害の為の治療といったもので、他は身体機能の維持の為のリハビリテーションとなります。

筋萎縮性側索硬化症の予防法

 分からないことが多い病気の1つですので、詳しい病気の原因といったものの限定が難しい状態です。なぜこういった病気が起こるのかが解明されていません。したがって、予防方法といったものについても確立されているものはありません。

 加齢が原因とされるものや、遺伝的なものとの関係性があります。または、喫煙をしているものに病気になる発生リスクが上がるといったものがあります。しかし、一部的な要素としたもので、根本的な原因とそして予防といったものではありません。

筋萎縮性側索硬化症と診断されたら

 筋萎縮性側索硬化症は分からないことが多い病気ですので、筋萎縮性側索硬化症と診断されたら、医師や専門機関と相談して治療法を決めて行きます。

 在宅での治療といったものが多くなるケースもあります。治療について不安な面が多くあると考えられます。特に治療についての医療費を軽減するために、様々な制度を利用して経済的な不安が解消できるでしょう。

医療費を軽減するための制度とサービス

  • 特定疾患医療受給者証
  • 障害者手帳の交付
  • 介護保険
  • 社会福祉サービスの申請

 公的な申請をすることで経済的にも負担が少なく、そして病気にかかった患者の方の症状の緩和以外にも介護する家族の方の負担軽減となります。

 詳しい各サービスの申請については、市町村によって異なる場合があります。お住まいの市町村や保険窓口などでご確認願います。

参考文献

  1. 筋萎縮性側索硬化症(ALS)、難病情報センター(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. JaCAKS 神経性疾患に関する調査班および厚生労働省精神・神経疾患研究委託費による研究班関連施設(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 筋萎縮性側索硬化症診療ガイド2013年、日本神経学会

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